鳩山由紀夫総理は28日夜官邸で記者会見し、臨時閣議で沖縄普天間基地の移設先を、日米政府の合意として、キャンプシュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置することを決定したことを報告、発表した。また、これからも沖縄の基地負担軽減、全面解決に命懸けで取り組むとして、国民に理解と協力を求めた。
さらに、閣議決定への署名を拒否した福島少子化・消費者問題担当大臣を罷免したことも明らかにした。そのうえで、「民主党として、私としては3党の連立政権にこれからも協力を福島党首にお願いした」として、福島大臣の罷免が社民党との連立政権の解消を意味するものでないとした。
鳩山総理は会見の冒頭、「国民の皆様方の安全保障と生活にかかわることを申し上げるために会見を開く」として、今回の政府の決定が、日本の安全保障だけでなく、東アジア全体の安全保障にとって重要なものであり、この地域の安全保障にとって、日米の信頼関係の維持こそが最重要との認識に立って、日米政府で合意したものであることを強調した。
また、昨年来、沖縄の基地負担の軽減、普天間基地の県外・国外移設を真剣に検討し、国内40数カ所を検討してきたことも明らかにした。そのうえで、旧政権では交渉できなかった沖縄本島の訓練海域の検討をアメリカとの交渉で引き出したことを述べ、今後具体化を図るとした。
さらに、「この決定が、大きな一歩、半歩かもしれないが、安全保障を確保しながら、負担を軽減する方法だ。この一歩がなければさらなる前進はない」として、基地の県外または国外への分散及び在日米軍基地の整理・縮小沖縄県外への訓練移転に取り組む決意を示した。そのうえで、真の問題解決には、時間がかかっても日本の安全は日本が主体的に守る力をつくることが必要だと訴えた。
また、県外移設を実現できなかったことについて、「結果として沖縄の皆さんの心を傷つけたことをお詫びする」と謝罪した。そのうえで、沖縄の皆さんの理解を得る努力を今後も継続し、対話を重ねることとして、「沖縄の皆さんの怒りは分かるがあえてお願いする」と協力を求めた。
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