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2010/07/05
「改革を前に進め元気な日本をもう一度」 香川県高松市で菅代表が呼びかけ




 菅直人代表(総理)は5日、四国入りし、愛媛、香川、徳島の3県で精力的に活動を展開。香川県高松市での街頭演説には、暑い日ざしのなか、道を埋め尽くすほどの約1500人が詰めかけ、熱心に総理の演説に聞き入った。

 マイクを握った菅代表はまず、現在の日本は経済も社会のあり方も行き詰っていると指摘。なかでも10年前から毎年3万人を超える自殺者がいることを問題視し、人間関係が貧しくなり、人と人との関係がばらばらになっている現状を最優先に変えていかなければならないと語った。

 そのうえで、鳩山由紀夫前代表が提唱した「新しい公共」とは、公の仕事と商売としての仕事との間に人と人とのつながりをつくっていくことだったと述べ、そのことが日本の安定であり、そこから元気な日本をもう一度取り戻さなければならないと宣言。その具体策として、環境や医療、介護、アジアのインフラ、観光政策を挙げ、大きな需要と雇用を生み出すことで経済の低迷から脱却させ、財政の健全化、社会保障の充実につなげていくとして、「強い経済、強い財政、強い社会保障」の一体化の実現こそが重要だと強調した。

 菅代表はまた、国と地方の関係にも言及し、外交・防衛は国の仕事だが介護や医療、保育などは地方自治体に任せた方がいいと主張。民主党政権では地域主権の確立を目指すとして、行政経験のある人材の必要性を説いた。

 最後に菅代表は、この9カ月間の反省を踏まえて進んでいくとしたうえで、政権交代の成果として(1)訪日の際に必要なビザの要件緩和による観光招致策の推進、(2)国の出先機関である地域採用の新規採用を8割カットすることによる公務員の総人件費2割カット−−の2例を紹介。「改革は一歩一歩進んでいる。新しい改革を前に進めることで元気な日本に生まれ変われる」と述べ、民主党の政策への理解を求めた。

 なお、演説会には小川淳也、玉木雄一郎両衆院議員、植松恵美子参議院議員が参加、「市民の中から出てきたリーダーとともに新しい政治をつくっていこう」などと呼びかけた。
 

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