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2010/07/09
せっかく進みだした改革を止めることなく前に進める 山形県天童市で菅代表、訴える




 菅直人代表(総理)は9日午後、山形県天童市のさくらんぼ農を訪れ、収穫作業などの農作業の手をとめて集まって下さった地域の皆さんの前で、ご当地さくらんぼの名産品をバックに挨拶。「政権交代後、せっかく進み出した大きな改革をここで止めることなく前に進める」と宣言し、民主党への理解を求めた。

 また、消費税の問題にも関連して言及し、「国の財政が破綻するとふつうにまじめに働いている人たちにしわ寄せが来る。年金、社会保障が不安な国、こんな社会にしないため、ちゃんと財再建しなければならない。そのために税のあり方に関する議論を呼びかけたにすぎない」と説明した。そのうえで「話し合ったうえで上げるということになれば、ちゃんと衆院選でみなさん方にご意見を聞く。逆に言えば次の衆院選までは消費税は一円たりとも上げない」と強調。「これは鳩山前総理の時代からのお約束でもあり、そして私の、民主党のお約束だ」と改めて語った。

 冒頭では、「何年も前から東京でもどこでも一貫して農業の重要性を論じてきたのは民主党代表の菅直人だ」と地元選出の鹿野道彦衆院議員の紹介を受けてマイクを握った菅代表は、6年前に代表をつとめていた際、鹿野議員に要請し、党内に農林漁業再生本部を設置したと報告。自らも本部長となり、取り組んできたのが日本農業の再生を目指してきた民主党政策の原点だと振り返った。

 そこには(1)農業を営み、地域で子どもを生み育てることができる社会にしていきたい(2)自民党政権下での農業軽視のやり方によってどんどん下がっていた食料自給率を向上させたい――とのふたつの思いがあったと表明。それが民主党政権において農業者戸別所得補償制度の実現へと繋がってきたことを明らかにした。同時に今後は、米だけでなく対象作物を広げ、また、林業再生も目指していく考えを示した。

 「必ずしも農業の知識はなかったが、元気な日本を復活させるためには、山形県をはじめ、地域から元気にしていかなけれな、日本の元気は復活しないという強い思いがあった」と語った。

 菅代表はまた、現在、居場所を失い、生きる気力さえなくし、社会的な歪みを生じさせている背景には人と人との関係が希薄になってしまったこと、小泉・竹中路線を中心にこれまでの政権が強引に推し進めてきた、国による国民のリストラに起因すると指摘。こんなことは断じてあってはならないと問題視したうえで、社会保障分野や農林業などにも注目し、新たな雇用を生み出すことで、社会的な歪みを是正していくとした。

 「経済の成長、財政の健全化、そして強い社会保障、それに加えて強い農業。この4本柱を連動させていきたい」と力説し、国民の皆様のお力で実現させた政権交代後、せっかく進み出した大きな改革をここで止めることなく前に進める民主党への理解を改めて求めた。

 集会には農林水産大臣政務官の舟山康江参議院議員、細野豪志幹事長代理、阿久津幸彦副幹事長も参加した。
 

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