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2010/07/24
働く親世代の子育て支援充実に向け、菅総理が事業保育所を視察




 菅直人総理(代表)は24日午前、東京都内にあるアルビオン事業保育所「Kuukids(クーキッズ)」を視察。「チルドレン・ファースト」の理念の下、社会全体で子育てを支援する民主党の政策づくりの一環として、働く世代が安心して子どもを育てられる環境づくりを目指す観点から、近隣地域の契約企業と共同利用可能なコンソーシアム型の事業所内保育所である同施設を見学し、母親やスタッフらと保育所のあるべき姿等について意見交換した。

 クーキッズは、販売業種等多様なビジネススタイルで働く方々が多い銀座地域において、その多様な勤務時間に適応して開園している保育所数が少ない現状に対応すべく、土日祝祭日も朝8時から夜9時まで運営する保育園。東京都の「子育て支援事業」の一環として設置・運営をし、働く保護者に幅広い保育サービスを提供している。

 菅総理は、同施設を運営している株式会社ポピンズコーポレーションの中村社長らの案内のもと、アトリエ、プレイルーム、ダイニング等施設内を見学。プレイルームでは、「孫はまだいないからなぁ」と話しちょっと照れながらも子どもを抱きかかえ、積み木やぬいぐるみで遊ぶ子どもたちと楽しそうにふれあう場面もあった。新しい議員会館には保育施設が設置され、新人女性議員が早速利用する予定であることも明かし、保育所が働きながら子を産み育てていくうえでいかに重要であるか改めてその認識を示した。

 続いて、同施設に子どもを預ける母親たちやスタッフらと懇談。菅総理が「何でも言ってください」」と切り出すと、母親たちからは「本当は自分が住む地域にこうした保育所があることが理想」「子どもを連れて通勤するのが大変」「企業内保育所はあくまでバックアップ的なもの」など、働きながら子育てをする厳しい現状を訴える声が相次いだ。一部の有名企業には企業内の保育所がある一方、多くの企業においては経営者側、雇用者側双方の負担を考えると保育所設置は難しいのが現実であるとして、同施設のように複数の企業で運営していくことの意義も語られた。菅総理は、母親たちと率直に意見交換するなかで、保育所には施設、運営において厳しい基準があること、認可、無認可保育所の間に大きな壁があることなど現状の問題点を改めて確認、今後政治の責任で解決していく考えを述べた。

 視察後に菅総理は記者団に対し、「施設があることによって、お母さんが子どもを生んで半年から一年で仕事に復帰できると同時に子どもを預けることができる点で素晴らしい施設だと思った」とコメントし、様々な形態が必要ななか企業努力として地域にないところを補うかたちで運営しているこうした取り組みを高く評価。「元々民主党は、保育を含め子育て支援に力を入れている。新成長戦略にも盛り込んでいるが、今後実践していく具体的な政策につなげていきたい。今日話を聞けたことは色々な意味でリアリティーがあり参考になった」と所感を述べた。

 今後の視察予定については「日本が元気になるための現場を見ていきたい」と表明。林業再生事業を例に挙げ、福祉に限らず雇用に繋がるものに重点を置きながら、順次視察を行っていく考えを示した。

 なお、視察には寺田学内閣総理大臣補佐官も同行した。
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