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2010/08/06
【今日の官邸】仙谷官房長官会見


■仙谷由人官房長官会見■
「非核三原則の堅持に変わりなし。総理は核軍縮へ最大限の努力と貢献を尽くす」

 仙谷由人官房長官は6日午前首相官邸で会見を行い、冒頭、5月28日の日米安全保障協議会共同発表の内容を仲井真弘多沖縄県知事に説明するため、政府として来週の11日に福山哲郎官房副長官を沖縄県に派遣することとなったと報告した。

 次に同日朝、広島市で開催された平和祈念式典で秋葉忠利広島市長が非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱を政府に求めたことに対して、「我が国は原爆の惨禍を二度と繰り返してはならないという核軍縮・核廃絶に向けた強い思いを有している。他方、国際社会においては(核に関する)不透明・不確実な要素が存在する中で、米国の核戦力を含む抑止力は引き続き重要であると考えている。政府としては国の安全保障という最重要の責務を遂行していくこと、そしてあらゆる国に対して核軍縮・不拡散を唱えることの2つは何ら矛盾するものではない」と基本的な考えを表明した。

 それらを踏まえ仙谷長官は、「非核三原則を堅持する方針に変わりはない。非核三原則は我が国の重要な政策として内外に十分周知徹底されているので、改めて法制化する必要はないと考えている」と答えた。

 続いて、平和祈念式典で菅直人総理(代表)が行ったあいさつの中で、被爆者の方に『非核特使』として国際的な場面で核兵器の悲惨さを世界に発信してもらうという構想を表明したことに対して詳細を求められた仙谷長官は、「現時点で想定しているのは、海外での原爆展やNGOによるプロジェクトなど核廃絶に向けた動きなど広島市と長崎市の両市とも相談しながらできるだけ早く構想を実現したい」と内容を説明した。

 さらに総理のあいさつの中で自身が強いこだわりを持っている所は何だったのか、自民党政権との違いをどのように打ち出そうとしたのかとの問いには、「総理が伝えたかったことは主体的な核軍縮の機運を高めていくことに日本として最大限の努力や貢献をしたいということ、さらに政府としてはここまで被爆者の方々に対する支援の措置が十分ではないと思われる点をこれからも積極的に講じるように検討していきたいということである」と述べた。

 最後にオバマ米国大統領が秋に横浜市で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で来日する際に広島や長崎を訪問するよう政府として要請する考えがあるかとの質問には、「オバマ米国大統領が日本に来られるときに、どれくらいの日程をとることが出来るのかも含めて話し合いをしなければならないと思っている」と前向きな姿勢を示した。

 仙谷長官は同日午後、閣議後に会見を行い、閣議において国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、ゴラン高原で活動している自衛隊の派遣期間を、平成23年3月末まで6カ月間延長することを決定したと報告した。

 また、閣僚懇談会の席上で所在不明の高齢者問題について取り上げるとともに、この件の問題点の洗い出し、検討を行うため、総務大臣、法務大臣、厚生労働大臣、官房長官、国家公安委員長の5大臣による第1回会合を開催したとした。総務大臣からは恩給受給者の確認、厚労大臣からは対策チームの発足や従来行ってきた年金受給者のサンプル調査を110歳以上にも拡大実施したこと等の報告がなされるとともに、問題点や調査のあり方等について議論されたと述べ、8月下旬に次の進み方を検討する5大臣会合が行われる見込みだと語った。
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