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2010/08/08
長野県知事選挙 民主党推薦の阿部守一氏当選




 任期満了に伴う長野県知事選は8日投開票され、民主党はじめ社民、国民新の各党が推薦した無所属新人で元副知事の阿部守一氏が、自民・公明両党、共産党などがそれぞれ支援した無所属新人2人を破って初当選した。田中康夫前知事時代に副知事を務め、政府の事業仕分けに携わった阿部氏は「信州型事業仕分け」を提唱した。

 22時40分すぎ、長野市のJR長野駅近くのホテルに設置された開票速報会場に「当選確実」の一報が流れると、会場に詰めかけた支持者の皆さんの間から大きな歓声と拍手が沸き起こった。

 歓喜の嵐のなか会場に姿をみせた阿部氏は真っ黒に日焼けした顔に満面の笑みを浮かべながら挨拶に立ち、「多くの皆さんからお力をいただきながら、そして今日お集まりの皆さんはじめ大勢の皆様のご支援をいただいて、今日ここに至った。うれしい気持ちで一杯」と語り、寄せられた支援を「しっかりと政治のなかで恩返ししたい」と表明。

 また、選挙戦を通じて「暮らしをしっかりと支えていく」と訴えてきたことを振り返り、県内各地を回るなかで将来への不安や日々の暮らしの不安の声を多く耳にしたと語り、「県民の皆様方の声が本当に形になる県政をつくっていきたい」と述べた。

 「信州型事業仕分け」を通じて何を実現したいのかとの記者の問いには、「予算を削減するだけの手段ではない」と説明したうえで、行政の矛盾や問題点を洗い出し、開かれた県政を実現していくと述べるとともに、元気で活力のある安心して暮らせる長野県をつくっていきたいと抱負を語った。

 お祝いの挨拶に立った長野県連代表の北澤俊美防衛大臣は、長野県民は「阿部守一を先頭に新しい道をたどる」ことを選択した「すばらしい長野県民だと思う」と強調したうえで、「長野県民のためにあらゆる壁を乗り越えてしっかりと長野県の未来に向かって力いっぱい県政を進めてほしい」と激励。「阿部守一さんが知事としてこの長野県が大きく発展する礎を築いていただくことと心から念じる」と挨拶を締めくくった。

 長野県連代表代行の羽田雄一郎参議院国会対策委員長も「阿部守一さんのもとで新しい長野県政をつくりたいという思いが通じた選挙だった。最後の最後まで一人ひとりが力を尽くして勝ち取った勝利だと感じている」と述べ、応援した多くの人々が信じた、そして阿部氏自身が信じた政治を実現してほしいと大きな期待を寄せた。

 長野県第1区選出の篠原孝農林水産副大臣も挨拶に立ち、「国政にとっても大事な選挙だった」と振り返り、民主党は長野県から反転攻勢に打って出ると宣言。長野県第4区の矢崎公二衆議院議員は、「県民はしがらみのない政治を選択した」と語るとともに、49歳という若い知事の誕生は「新しい長野県をつくってほしい」という県民の声でもあると評し、その実現へむけ大きな力を発揮してほしいと求めた。

■開票結果
阿部守一 当選  362,903
腰原愛正      357,882
松本 猛      189,793
 

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