■仙谷由人官房長官会見■
日韓併合100年総理談話「両国関係の未来志向の構築のため」
仙谷由人官房長官は10日午前、首相官邸で定例会見し、閣議において日韓併合100年に当たっての内閣総理大臣談話(下記関連記事参照)を決定したと報告。
談話では、「痛切な反省と心からのおわび」を表明。未来志向の日韓関係構築に取り組む姿勢を示すとともに、朝鮮王朝の主要行事などが記録された古文書で、日韓併合後に日本に渡り日本政府が保管している「朝鮮王室儀軌(ぎき)」を「近くこれらをお渡ししたい」との方針も明示した。
仙谷長官は、「本年は日韓併合条約締結からちょうど100年という、日韓関係にとって節目の年である。日韓関係を未来志向に構築する、日韓の連携をさらに強化するということが、堅固な日米同盟の深化とともに、今後の東アジア及びアジア太平洋の平和と安定と繁栄にとって極めて重要である」と表明。「日本政府、菅政権としてはこのような認識に基づいて、過去の歴史から目を背けることなく、反省すべきことは反省しながらこれからの100年を、未来志向の日韓関係を構築し、日韓連携をより強化するという日韓新時代、これからの100年の礎とすべく、今回の菅総理談話を発表することに致した」と語った。
仙谷長官はまた、菅直人総理(代表)と韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領とが電話での首脳会談を行ったことも明らかにした。会談では、菅総理から李大統領に対して今回の談話に関する考え方を説明し、これに対して李大統領から強い謝意が述べられ、韓国と日本の将来のより強い協力関係を築くことができるとの旨の表明がなされ、特に北東アジアの安定に向けた両国の協力が不可欠との認識で一致した。
仙谷長官は加えて、日韓基本条約で、個人補償、請求権については決着済みだという前提に立って談話は書かれているとした。
さらに、8日に当選した阿部守一長野県新知事と面談したことを問われた仙谷長官は、政府の行政刷新会議の事務局次長であったことをふまえ、「7カ月前までは上司と部下という関係であった」と語るとともにそこでの仕事ぶりを評価。「行政刷新会議で示された手腕をいかんなく発揮して、リーダーシップを発揮していただけば、長野県もハッピーになるのではないか」と述べ、若さと行動力と知力と行政経験は十二分にあるので大いに期待したいと語った。
|