2000/06/01
選挙公約「民主党の15の挑戦」を発表
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民主党の鳩山由紀夫代表と菅直人政策調査会長は1日午後、国会内で会見し、民主党の選挙公約「15の挑戦」を発表した。
全文は次の通り。
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無責任政治と決別し、安心の未来を創るために
−民主党の「15の挑戦」−
2000年6月1日
民主党代表 鳩山由紀夫
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日本は、いま、歴史の大きな転換期を迎えています。集権国家から分権国家へ、官主導から民主導の政治へ、公共事業中心のお上依存社会から福祉と環境が中心の自立社会へ、モノ中心の増産主義社会から人間性豊かな成熟した消費社会へ、そして自由と規律が両立するルール優先の国へと転換してゆかなければなりません。
私たちがめざす社会の基本目標は、<経済には可能な限りの自由を、生活には最大限の安心を>です。その姿は、米国流の市場主義・競争優先主義よりも、ヨーロッパ諸国がさまざまな形で実験している、社会的公正と刷新のバランスを重視する<人間の顔をした経済社会>にあります。このため、政府は、IT革命や規制改革を促進して「強い経済の実現」をめざすと同時に、国民の生活と将来の安心のための社会基盤(セイフティネット)の確立に徹底して取り組みます。
これ以上の公共事業大盤振る舞いによる経済対策はやめにしなくてはなりません。このままでは、日本経済は、カンフル剤で痛みをごまかす病人の経済に陥ってしまい、健康な市場経済の実現は望めなくなってしまいます。将来に大きなツケと不安を残す財政赤字を解消する「財政健全化プラン」を策定・実施し、無駄を省き、スリムで効率的な政府の確立をはかって、国民に安心の未来を保障することが何よりも大切です。民主党は、この課題に果敢に挑戦してゆきます。
私たちはまた、道州制導入を含めて分権改革に本格着手し、中央集権の拠点・霞ヶ関の解体に取り組みます。これにより、NPOや地域社会の自主的活動によつて支えられた新しい分権連邦型社会への移行を進めます。いま必要なことは、自己決定と自己責任が明確な社会を実現し、官依存の不透明な無責任社会と決別することであります。
ルール違反には厳格に対処し、如何なる不正・不祥事も許さず、モラルハザードを生む護送船団方式の変革を進めていく必要があります。私たちは、<情報公開は民主主義を強くする>との観点に立ち、公正で、透明度の高い政府の確立のためにその全力を傾けていきます。
私はとくに、この国に対する国民の誇りが損なわれ、日本人としての自尊心が失われている現実に強い危惧を抱いています。世界にも誇る厚い伝統と豊かな勤勉性をもっている「誠実の国」が、いつの間にか、場当たり・その場凌ぎ、嘘とごまかし、そして利益中心主義に走り、素晴らしい国を創る気概を国民の間から奪い去って、「無責任国家」を生み出してきた現実を憂いています。
このようなときに、森総理は「神の国」をめざすと発言しました。私たちが営むこの日本は「民の国」であって、歴史の時計を逆回りさせるこうした思想には正面から対決してゆかなければなりません。民主党は未来志向の政党です。そして、その党名にも明らかなように、国民とともに行動する民主主義の政党です。私はそのことに強い誇りを持っています。
今度の総選挙は、何よりも「信頼できる政府」をつくり、国民が安心と誇りのもてる国づくりを実現する重大な選択のときです。国民を信頼せず、嘘と言い訳を重ねる森政権を継続するのか、それとも民主党中心の「信頼できる政府」を創り出すのか、私は、そのことを強く国民の皆さんにお訴えいたします。
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民主党の「15の挑戦」
−無責任政治と決別し、安心の未来を創ります−
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(1) 道州制を導入し、国のかたちを分権連邦型国家に変えます。
(2) 中央集権=政官業癒着による膨大な無駄をなくし、財政を健全化します。
(3) 長期連続休暇制度の導入などにより、豊かな生活時間を創り出すサービス経済を拡大します。
(4) インターネット料金を水道料金並に引き下げ、IT革命を加速します。
(5) 再就職支援ビジネスの自由化と採用募集などにおける年齢差別禁止法を実現します。
(6) 課税最低限を引き下げ、児童手当の拡充や住宅ローン利子の所得控除などに充てます。
(7) あなたの年金は減らしません。社会保障制度を再構築します。
(8) ゼロ歳児保育・24時間保育の確立で、仕事と家庭の両立を支援し、男女共同参画を促進します。
(9) 学校に実践体験学習期間を導入し、社会性を培う教育を確立します。
(10) 環境税を導入し、「水素」や「風」「太陽」など新エネルギー利用を促進します。
(11) 吉野川可動堰、川辺川ダム、中海・諫早干拓については、中止を含めて見直します。
(12) 天下りを禁止し、議員に対するあっせん利得収賄罪を法制化します。
(13) 国家公安委員会の独立性を高め、監視機能を整備するなど警察法の改正を行います。
(14) 議院内閣制における首相権限の強化とあわせ、首相公選制の導入を検討します。
(15) 歴史の争いや過ちを克服し、「和解と共生」の積極外交を進めて、平和な国際社会を創ります。
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