ニュース
ニュース
2010/08/27
日本のものづくりを支える大田区の中小企業を視察 菅総理(代表)




 菅直人総理(代表)は27日午後、大田区を訪れ、製造に携わる中小企業を視察。日本のものづくりを担う高い技術力と同時に、常により高度な技術を求めて研究開発に力を注ぐことで価格圧力に対し競争力を維持しているその企業姿勢に敬意を表した。なお、視察には近藤洋介経済産業大臣政務官、地元選出の藤田憲彦衆院議員(東京第4区総支部長)が同行した。 

 菅総理はまず、エビナ電化工業を訪問。同工業は、装飾や腐食防止などのための金属などの材料の表面を金属の薄い膜で覆う「メッキ」加工の最先端技術を誇る会社。次世代を見据えた研究開発でハイテク産業の発展に貢献、携帯電話やノートパソコンなど多くの電子機器に技術が使われている。

 海老名社長から製作工程や最先端技術をスタッフ皆で共有していくための創意工夫など説明を受けた。なかでも、人間がつくった最も黒い物質としてギネスブックにも紹介されている「ウルトラブラック」は光を当てても反射しないというもの。薬液に入れて真っ黒な処理を施す現場を実際に見学した菅総理は、その高度な技術に関心を寄せた。
 
 次に訪れたのは、高度な研削加工技術実績を持つ加藤研磨製作所。高精度な結果を求められる製品の製作実現のため、同社では徹底した製品管理を行っている。同社では、こうした高い技術力がベテラン技術者から20〜30代の技術者へと順調に引き継がれているという。

 菅総理は、1〜2ミクロン以下の寸法精度が求められるその技術を丁寧に、慎重に作業に取り組む姿は日本の誇りであり、菅総理はその作業風景をじっと見入っていた。また、視察後に菅総理は同社内で、大田区のものづくりを代表する経営者の皆さんと車座で意見交換を行った。

 視察を終えた菅総理は記者団に対し、「いずれの工場も高い技術を持っており、日本のものづくりは中小企業の高い技術に支えられていると再認識した」とコメント。車座での意見交換では、円高その他の理由により「経営状況は簡単ではない」との声が寄せられたと述べ、「大企業の海外移転の影響があるか」との菅総理の問いに対しては、「影響は大きく、不安材料になっている」との答えがあったと明かした。

 そのうえで菅総理は、円高対策については政府で議論しているとして、「現場の声を活かしたかたちの対策をつくりあげ、実行していきたい」と表明した。
 

記事を印刷する