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2010/08/29
菅総理(代表)、姫路更生保護活動サポートセンターを視察
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菅直人総理(代表)は29日午前、姫路市を訪れ、姫路市自治福祉会館内にある姫路更生保護活動サポートセンターを視察した。同センターは保護司・保護司会が地域で更生保護活動を行う拠点で、保護司が常駐して対象者の支援・処遇活動を展開している。平成20年度から設置が始まり、全国に21ある施設のひとつで同センター自体は平成21年度6月から活動している。視察には加藤公一法務副大臣も同行した。
保護司は罪を犯した人や非行少年の立ち直りを地域で支えるボランティアで、法務大臣から委託され、保護観察対象者と面接しての指導や助言、刑務所や少年院にいる人の帰住先の生活環境の調整、犯罪予防のための啓発活動などを行い、全国883地区ごとにある保護区に配属され、保護司会を組織している。
冒頭、同センターの本多会長は施設の概要説明のなかで、保護観察対象者や元保護観察対象者への面接・相談の充実とともに、学校や保健所、社会福祉協議会等の関係機関と連携した処遇活動を行うことの重要性を指摘するとともに、対象者を受け入れてくれる協力雇用主の開拓と就労支援による対象者の居場所づくりが、再発防止に繋がっている実情について語った。会長は「犯罪をなくしていく、非行をなくていくためには職に就けていくこと。就労によって、大きなメリットがをいただいている」と指摘した。
就労支援の充実強化を図るため、姫路保護区保護司会が中心となって平成20年度12月には姫路保護区就労支援協力雇用主会が設立され、平成21年度だけでも約50社が加わり、現在は約120社だが更なる開拓と連携強化を図っている。
通常ではなかなか就労先が見つからないことが多いのではとの見方を示したうえで菅総理(代表)は「こういう協力企業の方が、まさに事情がわかったうえで受け止めてくださることで仕事が見つかるわけですね」と再確認した。
「保護司と対象者だけで雇用主を探すのは大変なこと。理解していただくだけでもむずかしい」と重ねて説明した本多会長は、「本年度は協力雇用主160社を対象にして現在着々と進んでいる」とした。
続いて30分以上にわたって、実際に活動を行っている保護司の皆さんはじめ関係者と意見交換した。取組みの難しさを語る声があるとともに、更生して子どもを連れて会いにきてくれたり、やりがいは大きいとの声もあった。また、保護司が配属される保護区が全体で833あるにもかかわらず、サポートセンター数が全国で21にとどまっているのを問題視する指摘もあった。
こうした視察・意見交換を踏まえて菅総理は記者団に「更生保護活動サポートセンターは全国にまだ21カ所しかないのだが、そのなかでも非常に活発に活動されている、このセンターで本多会長はじめ皆さんに話を聞きたいと思って訪問した」と前置き。日本で犯罪に関わってしまう人も多いが「そういう皆さんが更生していくために、一番必要なことはいろいろ相談に乗って、そして仕事を見つけること。仕事に就いた方は再犯率は仕事に就かなかった方と比べて圧倒的に少ないということもわかっている」と説明した。
このサポートセンターでは地域的に理解があるという特性もあるが、「今年は160社を目指すということだが、協力してくださる雇用主の方々のサポートがあっていろんな形で就労支援ができていることを伺った」と語った。
また、保護司は無給のボランティアであることにも改めて言及したうで、「日本社会では人間のつながりが薄れていろんな問題が起きているが、そういうものをしっかりとつなぎとめるために頑張っていただいている。『新しい公共』という言葉も私たちは使っているが、まさにそういう活動を長年されているのだと改めて感じた」と敬意を表した。
「こういうことを感じたうえで」菅総理(代表)は、「姫路更生保護サポートセンター視察後の総理指示」を関係省庁に行ったことを明かした。
指示では(1)サポートセンターによる保護司活動の支援、保護司の確保など保護司制度の充実を図る(2)罪を犯した人の就労、住居を確保し、立ち直りを支援するため、就労支援等の施策を充実する(3)このため、府省の垣根を越えた検討を進める観点から、関係省庁連絡鍵を設置する――の3項目を挙げている。
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