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2010/09/03
【今日の官邸】仙谷官房長官会見
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■仙谷由人官房長官会見■
■イラン核開発問題で日本独自の制裁を閣議了解■
仙谷由人官房長官は3日午前、首相官邸で会見を行い、同日朝に行われた閣議で、イランの核開発問題に関して8月3日に既に閣議了解した措置に加え、国際連合安全保障理事会決議第1929号(イランの核問題に関する安全保障理事会決議)の履行に付随する独自の措置を行うことについて閣議了解したことを報告した。
仙谷長官は同決議について履行する措置として、(1)不拡散分野において新たに88団体・24個人を資産凍結対象に指定する、(2)金融分野においてイランの銀行15行を資産凍結することでコルレス(為替取引)関係を停止することおよびイランとの間の資金移転の監視強化を図り、外為法に基づく金融機関への集中的な検査等を実施する、(3)貿易分野ではイラン向け輸出信用について、諸情勢を勘案し、中長期(2年超)の新規供与等を行わないこととし、短期についても厳格な審査の下で対応する、(4)石油・ガスなどのエネルギー分野については貿易分野の措置を実施することによって新規投資を停止することおよび産業界に対して、同決議の趣旨を周知し、石油・ガス分野に関する事業者に対して新規プロジェクトや既存取引への注意喚起を行うこととする――を挙げ、説明した。
そのうえで仙谷長官は同決議に対して、「国際社会が一致して安保理決議を着実に実施して『対話の窓』を維持しつつ、イランに賢明な決断を求めていくことが重要である」との見解を述べ、「我が国はイランとの間で伝統的かつ緊密な関係を有しているが、問題の平和的・外交的解決に向けて同国に対して粘り強く働きかけていく」との方針を表した。
それに関連して記者団から今回の制裁に対するイラクとの友好関係への影響についての質問に仙谷長官は、「現在の核不拡散、核開発をどうやって防いでいくかということから(今回の制裁は)必要だと考える。イランの経済を含めて従来からの関係についてどのような影響を与えるかは今後注意深く慎重に情報収集しながら見守っていきたいと思う」と答えた。
仙谷長官は同日午後の会見で、同日午前に菅直人総理も出席し、国際労働組合総連合(ITCU)・アジア太平洋労組ネットワーク(APLN)と対話したことを報告した。
ITCU・APLNは毎年、APEC首脳会合に向けた採択を決議し、開催国に首脳に要請を行なっており、会合では(1)世界的な経済金融機器 への対応(2)ディーセントワーク(人間らしい働き甲斐のある仕事)の推進(3)多国籍企業における社会的責任等――について積極的に取り組んで欲しいとの要請があった。要請に対し、仙谷長官は「これらの問題に対し我が国としても真剣に検討していきたい」と総理及び関係閣僚から回答が行なわれたことを明らかにした。
なお、政府側からは、総理の他、仙谷長官、直嶋正行経済産業大臣、長妻昭厚生労働大臣、福山哲郎内閣官房副長官、細川律夫厚生労働副大臣、吉良州司外務大臣政務官らが出席した。ITCU・APLN側からは、古賀伸明連合会長をはじめ、IUCT役員、各国労働組合及び国際労働組織の代表らが参加した。
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