2010/09/17
【岡田幹事長会見】「民主党立上げの志に立ち返り、民主党を日本の政治の本流を担う政党として形づくっていく」
岡田克也新幹事長は17日午後、就任後初の会見を党本部で行い、「幹事長を拝命しました岡田克也です。よろしくお願い致します」と語ったうえで、基本的な考え方に関して見解を示した。
「われわれが民主党を立ち上げたときの志、新しい政治を実現する、国民の期待に応える政治を実現するという思いに立ち返って、しっかりとこの民主党を、日本の政治の本流を担う政党として形づくっていきたい」と表明した。また「もちろん現実の国会はねじれ国会であり、そういったことにもしっかりと対応していかなければならない。そうした目の前の問題にしっかり対応するとともに、大きな志を持って民主党をしっかりとつくっていきたいと考えている」と強調した。
また、ぶらさがり取材には応じない主義であるが、それに代えて、会見は月曜と木曜の週2回、オープンな形で実施するとの方針も示した。
さらに、菅改造内閣の顔ぶれについて記者から問われたのに対し、「発足したばかりなので現時点で注文をつけることはない。立派な方々なので大変期待している」と述べるとともに、「現時点で考えられるベストなメンバーだと思っている」とした。
○岡田克也幹事長
岡田克也幹事長/就任会見要旨
2010年9月17日(金)
編集・発行/民主党幹事長室
■冒頭発言
【幹事長】幹事長を拝命しました岡田克也です。よろしくお願いいたします。私の基本的な考え方、抱負は両院議員総会で述べたところでありますので、そのことを繰り返すことはいたしません。
ただ、われわれ民主党を立ち上げた時の志、「新しい政治を実現する」「国民の期待にこたえる政治を実現する」という、そういう思いに立ち返って、しっかりと、その民主党、日本の政治の本流を担う、そういう政党として、形作っていきたいというふうに考えております。もちろん現実の国会は、ねじれ国会でありまして、そういったことにはしっかり対応していかなければなりません。そうした目の前の問題にしっかり対応するとともに、大きな志をもって民主党をしっかりと作っていきたい、そういうふうに考えております。
あと、これはやや事務的な話になりますが、私はぶら下がりというものをやらない主義でありますので、そこは皆さまに最初に申し上げておきたいと思います。それに代えて、ということではありませんが、会見は月曜日と木曜日、週2回、こういうかたちでやりたい、オープンなかたちでやりたいというふうに思っております。
■質疑
【記者】昨日の総理官邸でのぶら下がりでおっしゃっていたことなので間違いはないと思うが、「ちょうど1年前まで私は幹事長だった。ですから外務大臣になったときにずいぶん憤慨していたじゃないかと妻に言われまして、そういうこともあったのかなと。また振り出しに戻ったような感じですよ、1年前に」ということで幹事長は原理主義者といわれるが、このような大事なときに、奥さんからのアドバイスで考え方を変えるということもあるのか。
【幹事長】別に考え方を変えたわけではありませんが、そういうこともあったかなというふうに思い出しただけであります。私は、仕事をやると全力でやりますので、いったん始めると、なかなか次に変える、ということが非常に抵抗感があるといいますか、もう少ししっかりとやりたいというふうに思うのかなと、そういう傾向があるのかな、というふうに思ったしだいであります。
バッジをはずすのは、別に国会議員を辞めたいからではございません。基本的に私は、国会の中、議員会館の中以外ではバッジをつけないということを、20年くらいやってきておりますので、今日は忙しすぎてそれを忘れていたということです。
【記者】今日の両院議員総会で、公平と透明性ということを言ったが、具体的に。枝野前幹事長の党運営のどこを引きついでいくのか。
【幹事長】最初に(私が)幹事長をやった菅代表のときに、党改革に取り組んでまいりました。いろいろなことを、ルール化することが重要なことで、ルール化すると原理主義者だとか、いろいろなご意見も出るわけですけれども、しかし、ルールに基づいてやっていくということは、公平で透明だということにつながるわけであります。もちろんそれが杓子定規になってはいけませんが、人によって扱いが違うというような印象をもたれないようやっていく。そのためにはなるべくそういったルールを決めてやっていくということが重要ではないかというふうに思っております。透明性というときに、もちろんルールをやっていくときもそうですが、いろいろなそれぞれの司司できちんと議論を尽くして進めていくということも重要ではないかと思っております。
【記者】代表選の投票にかかわるルールの問題に不備があったのではないかという問題がある。小沢サイド、菅サイド、真っ二つに分かれた結果になったが、どうやって今後、幹事長として党内融和をはかるか。
【幹事長】代表選挙は、やってよかったというふうに思うんですね。かなり政策論争も行われましたし、民主党の考え方、もちろん両候補によって幅はありますけれども、国民の皆さんに知っていただく良いきっかけになったというふうに思っております。そういう選挙が終われば、もちろん同じひとつの党でありますので、公平、構成に党運営が行われることは当然であると、そんなふうに考えております。代表選挙のやり方について、おっしゃるような技術的な問題もありますし、そもそも2年に1回やるべきなのかと、与党のときに、という問題もあるかと思います。少し議論が必要だと思います。次は2年後ですから、あまり、目の前にある、さまざまな緊急を要する課題がありますので、少し落ち着いたところで、そういったことについてもしっかりと議論したいとい
うふうに考えております。
【記者】菅直人内閣が発足したが、顔ぶれをみると、代表選で小沢(候補)支持の登用が少ないのでは。今回の顔ぶれへの見解を。
【幹事長】総理がお決めになることですから。現時点で考えられるベストのメンバーだと思いますが、今おっしゃったようなことは、そういう議論もあると思いますが、国会議員としてのキャリアの長さなどいろいろなことを考えると、ご批判は当たらないと思います。たぶん誰が考えても、意図的に排除したわけでももちろんありませんし、そういった議論というのは、メディアは盛んに、好きですけれども、私はいかがなものかというふうに思っています。これから副大臣とか政務官とか、党の役員、委員長、そういった人選に入っていきますが、適材適所でしっかりと選んでいきたいと考えております。
【記者】小沢元幹事長は、代表代行を打診されたが断ったと言われている。今後、挙党体制を築くうえで、具体的にどのように協力を求めるか。
【幹事長】代表代行をお断りになったということは私も聞いております。それがなぜかということは私は分かりませんので、本人でないと答えられないのではと思います。たいへんキャリアのある、力のある政治家ですから、いろいろな場面で助けていただきたいというふうに考えています。
【記者】今回の党役員人事で、前幹事長の枝野さんを幹事長代理という職に残された理由は。
【幹事長】枝野さんは非常に優秀な人材であります。責任をとって幹事長は引かれたわけですが、私がお願いして代理を引き受けていただきました。この幹事長職は大変な課題を多く抱えておりますので、枝野代理のご支援ご助力をいただきながら一緒に取り組んでいきたいと思います。
【記者】秋の臨時国会、幹事長が考えている日程があれば教えてほしい。
【幹事長】特に決めておりません。
【記者】11月秋の沖縄県知事選挙へ幹事長としてどのような姿勢で臨むか。仲井間知事と、伊波市長とどちらを支援するか。外務大臣、前原さんが引き継ぎということで、どのような外交姿勢を、前外務大臣として望むか。
【幹事長】前原さんは立派な政治家でありますので、私から何か望むことというのは別にありません。前原さんの考え、信念に基づいてしっかりと外交をやっていただきたいと思います。もちろん必要な引きつぎは行いたいと考えております。
沖縄県知事選については県連によく相談したいというふうに思います。基本的にこれは政党ですから、政権与党ですから、内閣の基本的な方針に沿って候補者の選定を行わなければならないということであります。県連がどういう考え方をするのか、よく伺って、党としての対応というものを検討していきたいというふうに思います。
【記者】先程の枝野幹事長代理の件、こだわって登用されたということだが、どういった分野でどういった仕事をしてほしいとして登用したのか。
【幹事長】別にこだわったわけではありません。彼の能力というものを私は評価いたしますので、代理にお願いしたということであります。どういう分野というのは特にまだ相談していません。ただ私は彼とはずっと、私が政調会長代理の時代に彼はずっと政調副会長、政調会長のときは、彼は代理ということで、5年近く一緒に仕事をしてまいりましたし、そのほか私が代表や幹事長のときも、それぞれ支えていただきましたので、彼の能力は高く評価をしているところであります。
【記者】消費税を含む税制の改革について、議論をいつごろ始めるべきだと思っているか。どういった枠組みで始めるべきでしょうか。
【幹事長】それは今お答えする、私は答えを持ち合わせておりません。党内でよく議論をしなければ、幹事長独断で進める問題ではありません。玄葉政調会長あるいは官房長官ともよく相談して、今後の進め方、議論の仕方、そういったことについてあるいは議論をするかどうかも含めてよく相談したいと考えております。現時点で言えるのは以上です。
【記者】あえて党内や閣僚の方々に、厳しい注文、しっかりやってもらいたいという注文をつけるのであれば、どういうことを頑張ってもらいたいと思うか。
【幹事長】発足したばかりなので、とくに注文つけることはありません。それぞれ立派な方なので、自らの責任を果たしていただきたいというふうに思います。非常に私は、期待をしております。
【記者】今回の代表選で、菅さん支持と小沢さん支持が、新聞・テレビとネットでは、真逆だった。ねじれ世論があった。これから党のスポークスマンとして、外務大臣のときに、ネットでのアピールを積極的にやっていた。幹事長になったら、ネットのほうへのアピールをどうされるか。
【幹事長】ネットでのアピールというのは、私が会見をするとタダで放映していただいた社もありますし、外務省のホームページでも動画で配信していた。今そういうことが党でも必要なのかどうか、よく意見を聞いて判断したいと思います。
【記者】枝野前幹事長が小宮山財務委員長と行った調査で、組織対策費が、党の資金が特定の議員に流れた問題があった。党の一政治家としてどう考え、この問題に新幹事長としてどう対応するか。
【幹事長】そういうことが、正式に発表になったのかどうか、聞いておりません。
【記者】幹事長として今後、ねじれ国会にどう臨むか。今の役員人事と閣僚の顔ぶれで、小沢さんに近い議員から相当不満が出ているが、挙党一致でやっていける認識と自信はあるか。
【幹事長】人事はまだ途中ですから、全体像が見えたところでご判断いただければご納得いただけると思います。ねじれ国会への対応というのは誠心誠意、国会、政治が何のためにあるかというと、国民のためにあるわけですから。その思いを共有して、野党の皆さんとも誠心誠意話をしたいと思います。
【記者】小沢前幹事長の政治資金管理団体の問題について、幹事長自身はこれまでの説明は十分だと思っているか。野党側は、国会での説明を求めていたが、臨時国会でその要求があったらどのように対処するか。
【幹事長】説明をどういうふうに行うかは、基本的にはご本人の問題だと思います。役職にある場合と、一政治家の場合という立場では、異なると思います。基本的にはご本人の判断というものがまずあるのだろうと思います。そもそもいま、法的な手続きの最中ですから、そういうときに、周りがいろいろ言うということは、私は基本的には避けるべきではないかとそういうふうに思っております。
【記者】小沢元幹事長が、代表選挙のとき、期間中に起訴されても離党や辞職の必要はないといっていた。どのように対応するか。
【幹事長】仮定の質問に、お答えするにはあまりにも重い質問ですので、お答えしません。
【記者】外務大臣時代のネットメディア及び雑誌メディアに記者会見をオープン化した。党内部の幹事長会見も含めて、オープン化を推し進める考えはあるか。内閣の各省の会見のオープン化度合いについて、民主党として進める考えはあるか。
【幹事長】政府と党はちがいますので、政府のことは政府で検討する課題だと思います。私自身はオープン化は必要だと考えておりますが、各大臣によっても考え方はいろいろありますので、強制するところまでは行かないのかなあと思います。前回、外務省を筆頭に形ややり方はいろいろありますが、進展しつつあることは間違いない事実でありまして、さらに進むことを期待したいと思っております。
この民主党の会見は、基本的にはオープン化されていると思っています。私が幹事長代理のときに始めたわけで、幹事長になったり代表になったりするたびに、範囲が広がってきた経緯があります。まったくノールールではありません。外務省の場合にも、一定のルールに基づいて、例えばジャーナリストではない一般の方が、自由に出入りできるということでは必ずしもありませんでしたので、党本部での会見を、どういうルールで行うかということについて、少しずつ考えてみたいと思います。今、私は党をどういうルールでオープン化をしているか、詳細を承知しておりませんので、外務省での経験を活かしながら、なるべく多くの方に参加していただくようにしたいと考えております。
【記者】衆議院の比例定数削減について、マニフェストに掲げたが、参院選が終わってから進んでいませんが、どう考えているのか、どう取り組んでいくのか。
【幹事長】マニフェストにも書きましたし、従来からの主張ですから、ぜひ実現したいと思います。しかし一方で、ねじれ国会の中で話し合いを進めていこうとすると、比例定数の削減について、消極的というか、非常に拒否感を示される政党もあるわけですから、ねじれ国会という現実を踏まえながらどうやってマニフェストを実現していくか、よく協議しなければと思います。
【記者】党規約、党綱領、代表選挙管理規程について、どういった考えで取り組んでいくか。
【幹事長】代表選挙管理規程については先ほどお答えしたつもりであります。党規約につきましては私が幹事長のときに、川端さん、委員会から提言をいただきまして、あとは党として、それを常任幹事会とか、そういうところでどう議論するかというところで幹事長が変わったということであります。あのときの提言をそのままでいいのかということをもう一度吟味する必要があると思いますが、いずれにしても、規約の改定というのもひとつ検討課題だと思います。いろいろな課題が山積しておりますので、まずこの国会で、ねじれの状況の中でどのように物事を進めていくかということのほうが、優先課題であります。そういう意味では、優先順位をつけながら、物事を進めていかなくてはいけないとそんなふうに感じているところでございます。
【記者】代表戦が行われた臨時党大会の日、ユーストリームの生中継についてはTBSのみ独占で、ネットメディアやフリーランスには許可しないというお達しがあった。議員が党本部に掛け合って、ぎりぎりで黙認という形で許可された。この件はまだ、本当の意味で解決がついていない。よくわからない形で制限がかかることについて、見解を聞かせてほしい。
【幹事長】事実関係がよく分かりませんので、把握してみたいと思います。
【記者】近々小沢元幹事長に会って話を聞いたり、党運営について話を聞いたりする考えはあるか。
【幹事長】ご意見をお伺いするということですけれども、必要があればそうしたいと思います。
【記者】ぶら下がりには問題があるという考えなのか。
【幹事長】歩いている時間とか、エレベーターの中というのは、考え事をするのにちょうどよい時間で、ずっと同じ質問を出されて答えるというのは苦痛なんですよね。つい、間違って答えてしまったり、というのがあります。きちんとしたこういう場で、責任のあるやり取りをしたほうがいいと思います。
【記者】与党と野党の幹事長の責任の重さがいろいろあると思うが、覚悟の程の違いは。
【幹事長】与党の幹事長のほうが責任ははるかに重いといわれることもありますが、私は野党だって同じように真剣に、政治に取り組んでいるわけですから、与党と野党で幹事長職として違いがあるとは考えていません。野党のときも真剣に、大きな責任を感じてやっていました。ですから実感として、よくわからないんですが。
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