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2010/09/29
岡田幹事長、石狩新港訪問 漁業関係者と意見交換しLNG基地を視察


 岡田克也幹事長は29日午後、北海道入りし、石狩新港市場でさけ漁業関係者との意見交換し、周辺の漁民の皆さんがかかえる課題等について話を聞いた。同日はしけのためサケの水揚げがなく、「サケが見たかった」と幹事長は語りながら笑顔で挨拶を交わし、意見交換会には、北海道第5区の中前茂之総支部長、田岡克介石狩市長、片平一義同市議会議長も参加した。

 冒頭ではサケの不漁を訴える声があり、昨年の6割に落ち込む見込みだとの窮状が語られた。

 また、北海道全体で15万トンのサケの水揚げのうち、3分の1は中国に輸出されているなか、尖閣諸島での問題が影響を及ぼすのではないかとの懸念の声も出された。それに対して岡田幹事長は、中国側からいろいろな発言があったが、どこかで折り合いをつけなければならないとの流れになっているのではないかとの見方を示した。

 さらに、明治時代から盛んに行われてきたニシン漁が昭和29年から姿を消し、その復活への取組みがなされているが、トドが食い荒らし、その被害が深刻である実情について語られた。そのうえで、民主党政権が農業者戸別所得補償制度に続いて取り組もうとしている漁業への戸別所得補償制度に期待するとの指摘があり、被害の補填等も考慮してほしいとの求めがあった。幹事長は「被害の補填までを対象とするものかどうか制度の中身まで明確に把握していないが」と前置きしたうえで、声を真摯に受け止めた。

 あわせて、石狩新港に来航する外国船が増加するのに伴い、事故も多発している実情が明かされた。にもかかわらず、波浪測定器や風速計などが老朽化しているが、新しい装備を設置する予算がつかない実態や、外国船が起こした事故の場合、外国船が加入している保険が不十分であるなどの理由で、事故によって漁に出られない期間が生じても充分な補償を得られない事態などが指摘された。

 これらのご意見を踏まえて岡田幹事長は、「たくさんの課題をいただいた」としたうえで、地元で活躍する北海道第5区の中前総支部長を紹介。地元のみなさんの声をしっかり受け止めていくよう声をかけた。中前総支部長は日ごろのご支援に感謝したうえで、「みなさんの課題を政府・民主党にしっかり届けていきたい」として、民主党の地元の顔として前向きに取り組んでいくとした。

 意見交換後に岡田幹事長は、石狩新港にあるLNG基地を視察した。

 LNGは液化天然ガスで、石油や石炭などの化石燃料と比べて、燃焼時の二酸化炭素の排出量が少なく、液化する過程で不純物が取り除かれるため、燃焼時、硫黄酸化物やばい煙は発生しないのが特徴。クリーンで安全なエネルギーとされている。

 石狩新港では6万戸への供給を目指して基地を整備している。北海道を、地域を元気にするための地域おこしの取組みでもあるとの説明を受け、岡田幹事長は基地内を見て回った。
 

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