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2010/10/01
【衆参本会議)重要課題先送りの一掃を宣言 菅総理が所信表明演説




 衆参の本会議が1日午後開かれ、菅直人総理が所信表明演説し、「『有言実行内閣』の出発。何を実行するのか。一言で申せば、これまで先送りしてきた重要政策課題の実行」であるとして、先送り一掃を宣言した。

 その課題として、「経済成長」、「財政健全化」、「社会保障改革」の一体的実現を挙げ、その前提として「地域主権改革の推進」、国民全体で取り組む「主体的な外交の展開」の五つを挙げた。

 経済成長では「供給者本位から消費者目線に転換することが必要」とし、政府が先頭に立って雇用を増やすとした。

 財政健全化では、このままでは財政は持続できなくなるとして、「2015年度までに、基礎的財政収支の赤字を対GDP比で今年度の半分にし、2020年度までに黒字化を達成するものです。大変高い目標ですが、成長と雇用拡大を実現しながら、一歩ずつ達成を目指す」とした。

 社会保障改革では、「私は、多少の負担をお願いしても安心できる社会を実現することが望ましいと考えている」としたうえで、「社会保障改革の全体像について、必要とされるサービスの水準・内容を含め、国民にわかりやすい選択肢を提示するとした。さらに、財源について、消費税を含め税制全体の議論を進めるとして、与野党での議論が不可欠だとした。

 さらに、国会議員のあり方について、企業団体献金の禁止、定数削減に関して、民主党内での議論を年内にまとめ、その後与野党で協議したいとの考えを表明した。

 また、この臨時国会を、「日本が現在抱える課題を解決し、次の世代に先送りしない責任を、国会議員が協力して果たせるか。国民の皆さんの期待に応えることができるか。この国会が試金石」であるとして、郵政改革法案、地球温暖化対策基本法案、労働者派遣法改正案などの審議をお願いするとした。そのうえで、国会が具体的な政策を作り上げる「政策の国会」となることを期待、議論を深める「熟議の国会」にしていくよう努めるとした。
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