ニュース
ニュース
2010/10/07
【今日の官邸】菅総理(代表)記者ぶらさがり、仙谷官房長官会見 古川官房副長官会見




■菅直人総理(代表)記者ぶらさがり■
鈴木、根岸両氏のノーベル化学賞「若い世代の意欲的取組みへ大きく影響」

 菅直人総理(代表)は7日夜、首相官邸内で記者団に対し、昨日の鈴木章・北海道大名誉教授に続き、同日午後に根岸英一・米パデュー大特別教授との電話で、ノーベル化学賞受賞に対しお祝いの言葉を伝えたと紹介。そのうえで、両氏の受賞が今後若い世代が科学・技術分野に意欲的に取り組んでいく大きなきっかけになるのではないかとの見解を示した。菅総理に対し、根岸氏からは「影響すれば嬉しいし、若い人に科学・技術の研究を志してもらいたい」との発言があったと述べた。また、自身が物理を専攻し、理系であると話したとも明かし、機会があれば今後、日本の科学・技術について意見を聞きたいと語った。

 さらに、科学・技術分野については人一倍関心が高いと述べた菅総理は、特に受賞した両氏の業績の多くが30代に研究を始め、その後成果を上げ、またいろいろな人に受け継がれる中で製薬や液晶など、現在の国民生活に役立っていることに注目。博士号を取得し助教授になりたての頃が一番油の乗り切った時期だと30代前後の研究者に期待を寄せ、彼らがノーベル賞を受賞できるような、社会にとっても人間にとっても役立つ研究成果を上げられるよう、若い世代に対する予算面での手当も必要だとの認識を示した。企業は目の前の成果を求める傾向があるとも指摘、国としてはまだ成果が見えない、成果が得られるかどうかかわからない研究に対しても予算を当てるべきだと主張した。

 次に、外交・安全保障に対する国民のコンセンサスができていないとして、民間レベルでの協議機関を設置すべきとの意見に対しては、自身の総理就任にあたり国家戦略室の機能の中に新たに外交・安全保障分野を入れ、関係者から話を聞いたと紹介。総理、内閣として日中関係、日米関係等しっかりと情報のみならずものの考え方をきちんと集結させ、それを基準に判断できるような仕組みをつくりたいと述べた。


■仙谷由人官房長官会見■
「明日、緊急経済対策を閣議決定し、補正予算案の早期提出に期待する」
 仙谷由人官房長官は7日午後、首相官邸で会見を行い、緊急経済対策の明日の閣議決定に向け、海江田万里経済財政担当大臣と国会で最終調整について同日確認したと記者団の質問に答えた。また緊急経済対策に係る補正予算案の提出時期については今月中の提出を目指して作業を行っていく見通しを示した。

 次に同日午前の参議院本会議の代表質問で郡司彰参議院議員副会長が先に行われた菅直人総理(代表)の所信表明演説で環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉などへの参加の検討する方針を表明したことに対し、「EPA・FTAを推進するに当たっては、閣議決定された食料自給率50%という目標達成や、農林水産業の発展との両立を図ることが基本」と指摘したことに仙谷長官は、「一般論としてFTA・EPAの議論やその進行形のTPPは特に農水産業との関係で言えば、我が日本が生き延びるためにどの様な政策を展開していかなければならないのかという観点からの議論は党内でも相当進んでいる」と背景を述べたうえで、「食料自給率の問題も含めて、農業と農村を日本の中でどうやって残していくのか、いよいよ真剣にこの問題に国民の英知を集めて取り組んでいかなければならないと考えている」と表明。さらに「どこかでこの議論を始めないと日本が東アジアのみならず世界のグローバリゼーションの中でドロップアウトしてしまうという危機感を持ちながら全党挙げて大いなる議論をして頂きたい」と所見を語った。


■古川元久官房副長官会見■
「科学の重要性を改めて認識しなければならない」ノーベル化学賞受け

 古川元久官房副長官は7日午前、官邸で記者会見を行い、有機化合物の合成技術を開発した鈴木章・北海道大名誉教授、根岸英一米パデュー大特別教授がノーベル化学賞を受賞したことに触れ、「大変喜ばしいこと。お二人の受賞は、我が国の学術研究の水準の高さが国内外に示されたものであり、大変誇りに思っている。今後とも日本人の受賞者が増えることを期待し、政府としては幅広い基礎研究がより一層推進されるよう関連施策の充実に努めていきたい」と表明した。

 昨6日晩、菅直人総理(代表)からも連絡のとれた鈴木氏に対して直接お祝いの言葉を伝えたこと、根岸氏に対しては本日昼頃に連絡する予定であることを明かした。

 また個人的な感想として、「理論はよくわからないが、私たちの生活に役立っている」「ずっと以前に行われた基礎的な研究がさまざまな過程、いろいろな方の努力を通じて生活に役に立っていることを実感した」とコメント。昨年の政権交代以降、「科学・技術」という記述を意識的に行っていると述べ、今回のような研究は真実を探求する「科学」であり、人の役に立つ技術と、科学の得られた知見をベースに世の中に役立つものをつくるのが「科学・技術」であると説明。「科学」と「科学・技術」とは似て非なるものがあるとして、珪素研究としての「科学」の重要性が国際的に強い競争力を持つ、信頼感のある、世界に誇るメイド・イン・ジャパンの「科学・技術」を生み出したとの見解を示し、「こうした科学の重要性を改めて認識していかなければならない」と語った。
記事を印刷する