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2010/10/09
japan=漆器の意味を改めて実感「世界にアピールしていく輪島塗の宣伝マンに」 岡田幹事長




 岡田克也幹事長は9日午後、視察後に輪島漆器会館を訪れ、「木地」「塗り」「加飾」といった輪島塗の制作工程や特徴について改めて説明を受け、職人たちの手間と気持ちが込められた輪島塗に見入り、夫婦椀を買い求めた。

 続いての輪島漆器商工業協同組合役員の方々との懇談で岡田幹事長は冒頭、同日の視察を通じて「japan=漆器」という言葉の意味がわかったとあいさつ。漆器は凝縮されたひとつの芸術だと称え、「漆器をどう守り、育てていくかは国として取り組んでいかなければならない政策のひとつ。地元の声を政策に反映していきたい」と述べた。

 同行した石川県第3区の近藤和也議員は、「伝統工芸を広げていくことが輪島の地域活性に繋がる。日本全体の伝統産業の精神的モデルにしていきたい」と思いを語った。

 懇談では、現下の景気状況では高級品が売れにくいとして、組合の方々から伝統工芸に対する国の支援を要望。特に、高齢化が進んでいることもあり、後継者育成の必要性を強調し、新しい感覚を持った人が入ってくることで伝統を守るだけでなく、新しいものづくりへと進化、発展していく可能性があると訴えた。

 また、近年小学校の教科書から伝統工芸を紹介する項目がなくなったことにより、輪島塗を知らない日本の若者が増えているとも指摘。後継者育成の面のみならず、世界にアピールしていくためにも日本人自身が自国の伝統工芸の魅力を理解することが大事だと主張した。

 これに関連し、「大使館では漆器を使っているのか」「外務省の若手職員には、全国各地の伝統工芸の産地を訪れてもらい、魅力を世界に発信してもらいたい」という意見も続出。岡田幹事長は、世界に向けて日本の伝統工芸をアピールしていく必要性を再認識し、「外務大臣に就任する前に来ておくべきだった」と苦笑し、(工芸品としての魅力のみならず)作るプロセスを知ったことでその物語性も宣伝していく。輪島塗の宣伝マンになる」と約束した。
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