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2010/10/18
【今日の官邸】菅総理(代表)記者ぶらさがり、仙谷官房長官会見




■菅直人総理(代表)記者ぶら下がり■
日中の戦略的互恵関係を進めるよう双方努力する必要性を説く

 菅直人総理(代表)は18日夜、首相官邸で記者団から、中国で次期国家主席に習近平(しゅうきんぺい)副主席が内定したと報じられたことを受けて、中国の新体制に対して今後の日中関係に向けた感想を問われ、「次期国家主席にどなたがなられるのか、まだはっきり決まったとは思っていないが、日中の戦略的互恵関係を進めるように双方努力していく必要があると思っている」と答えた。

 また、週末から中国各地で反日デモによって日系スーパーなどに対する暴動が相次いでいることについては、「中国に、邦人に対する影響が出ないよう、申し入れしている。冷静に対処していくことが重要だと思っている」と毅然と述べた。さらに今後の日中間の関係改善に向けての質問にも、「双方が冷静に対応していこうとことでは(日中ともに)一致しているので大丈夫だと思っている」と重ねて強調した。

 次に同日から事業仕分けの第3弾の視察が行われたことから、10月末から予定されている事業仕分け第3弾における財源捻出に対する考え方を問われ、「事業仕分けというのは、本来の行政のあり方についてオープンな場で検討することなので、大いに頑張ってもらいたいと思っている」と語った。


■仙谷由人官房長官会見■
■反日デモに対して中国側に遺憾の意を伝えるとともに安全確保を強く要請

 仙谷由人官房長官は18日午前、首相官邸で会見を行い、記者団から中国で相次いでいる反日デモについて、どのように日中関係を改善していくかとの質問に、「16日は四川省の成都市、河南相の鄭州市、陝西省の西安市で、17日は四川省の綿陽市において日本に対する抗議行動が行われたことは承知している」とし、「これらの抗議行動において在留邦人および日本人旅行者に対する被害の報告は現在はないが、日系企業が経営するスーパーのガラスが割られるなどの被害が生じている」と現状を報告。

 仙谷長官はこのことを受けて、「在日大使館および重慶の総領事館から中国側関係当局に対して遺憾の意を伝えるとともに、邦人および日系企業の安全確保を強く要請した」と答えた。そして仙谷長官は、「一部の破壊活動を伴う反日デモが行われたことは遺憾であるが、日本政府としては双方の政府、国民ともに冷静に対処することが重要であると考えている」と述べた。

 また現在調整中の日中首脳会談への影響を問われた仙谷長官は、「ほとんど影響はないと見ている」との考えを示した。

 仙谷官房長官は同日午後の首相官邸での会見で、眼鏡のベストドレッサー賞を受賞したことに関連して問われ、「ひとつの、眼鏡業界のビジネスを盛り上げるためになさっているのだと思う」と前置きしたうえで、「私は私でプラスの評価をいただくことがほとんどないものだから、眼鏡であろうとプラスの評価をいただいたのはそれなりにうれしいと思っている」と苦笑してみせ、軽い眼鏡を愛用していることも披露した。

 同時に、フレームの世界シェアの75%を日本が占め、特に福井県の鯖江で作られていることを最近知って折にふれてアピールしていたと明かし、「日本の職人芸から派生した眼鏡のフレームの工業製品はすばらしい。眼鏡フレームだけでなく、日本が営々と培ってきた職人技・技術がずいぶんある」と指摘。中小企業であるがうえに、自分たちだけで販路が拡大できず、世界中に売りさばくのは難しい情況にもある現状を前に、「新成長戦略のなかでは、クールジャパンの細かなものでも、うまく海外展開の道筋を政府の側面支援でつけることができれば、大いに日本のものも海外で売れるであろうし、それによって日本の伝統に基づいた素晴らしい技術が継承されて、なおかつ雇用が生まれるという意味ではいいことなのではないかと思う」とも語った。

 さらに、自身の眼鏡はヨーロッパブランドがついているものであるが、鯖江製であることを確認したと紹介。まさに鯖江ブランドで世界展開できるようになれば、製造する中小企業の利幅は大きく前進するだろうとの見方を示し、トータルで売り込んでいくことを政府として後押ししていきたいとの意向を重ねて示した。
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