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2011/04/12
東日本大震災発生から1カ月 菅総理会見




 菅直人総理は12日夕、東日本大震災の発生から1カ月を経過したのを受け、首相官邸で記者会見した(全文およびビデオは下記官邸ホームページ参照)。

 冒頭、「一カ月が経過していよいよ復旧・復興へと歩みを進めてまいらなければならない」と語った菅総理は、大震災で亡くなられた皆さんに改めて哀悼の誠を捧げるとともに、ご家族や被災された方々に改めてお悔やみとお見舞いを申し上げた。

 また、人命の救出、復旧・復興への活動に全力をあげている自衛隊や、警察、消防、
海上保安庁の奮闘、自治体、企業、NPO、個々の人たちによる被害者を助けようという行動、全世界の多くの国々から差し伸べられている救援の手に、心からの敬意と感謝の意を表明した。

 復興のあり方について菅総理は、「ただ元に戻すという復旧であってはならない。新しい未来の社会をつくっていく、創造する復興でなくてはならない」と指摘。その復興によって生み出される社会の姿について(1)自然災害に強い地域社会をつくる(2)自然環境と調和した社会システムを構築する(3)人にやさしい、特に弱い人にやさしい社会をつくりあげる、の3つの考え方を提示した。

 同時に復興を成し遂げるための進め方として、(1)被災された地域住民の要望・声を尊重する(2)政界、官界に限らず学者、民間企業、NPOなど、全国民の英知を結集してこの復興に当たる(3)未来の夢を先取りする未来志向の復興を目指す――とする3原則を掲げた。

 「こうした原則に沿って復興を進めるために全国の英知を集めるため、有識者を中心に被災地の知事にも加わっていただいて復興構想会議をスタートさせた」とも語った菅総理は、6月をメドに復興の青写真を固めると表明。その計画については「復興を実際に進めるためには予算や法律を国会で成立させる必要がある。幅広い範囲での政策実現なので、ぜひ野党の皆さんにも青写真を作る段階から参加をしていただきたい」と、協力を求めるとともに、計画に沿って実際に復興を進める復興本部の具体的な姿を今月中に提案する考えを示した。

 福島第1原発事故に関しては、「わが国にとってこれまで経験したことのない、最大級の原子力事故が福島原子力発電所で発生した」と述べるとともに、原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言を発令し、同法に基づく原子力対策本部を立ち上げ、発生直後から対策に全力をあげてきたと説明。あわせて同日、原子力事故の国際的な評価尺度に基づき「レベル7」との暫定評価を発表したと明かした。一方、「一歩一歩安定化に向かっており、放射性物資の放出も減少傾向にある。東京電力に対して今後の見通しを示すように指示しており、近く示される予定である」と語った。さらに、「何としても原子炉、使用済み燃料のプールをコントロール可能な状況に戻して、これ以上の被害の拡大を押しとどめなければならない。全力をあげて対策を進めていく」と強い決意を表明した。

 原子力事故の影響によって避難生活、農水産物の出荷制限など、大きな被害が生じていることについては、「政府を代表して深くお詫びする」と陳謝。また、昨日11日、官房長官から非難区域の見直しを発表したことに言及。「政府は今回の事故で住民の皆さんが健康被害にあわれないということを第一の原則として取り組んでいく」として、更なる不便や負担をお願いすることになることもあるが協力してほしいと要請した。あわせて「原子力事故の被害にあわれた方々を最後の最後までしっかりと支援していくことを約束する。被害の補償は第一義的には東京電力の責任だが、最終的には適切な補償が行われるよう政府が責任を持つ」とした。

 最後に菅総理は、被災者の皆さんも元気をふりしぼって復興に立ち上がろうとしており、また復興には日本全体が元気になることが自分たちの元気に繋がるので過度な自粛はやめてほしいとの声があることを紹介。そうした思いも踏まえて「被災された皆さんへの思いやりの気持ちはしっかりと持ちつつ、これからは自粛ムードに過度に陥ることなく、できるだけ普段どおりの生活をしていこうではありませんか。そのなかで被災地の産品を消費することも支援の一つの形である。そう考えて被災地の産品を楽しんで食べたり使ったりして、その明るさで被災地を応援していただきたい」と国民に呼びかけた。
関連URL
  菅内閣総理大臣記者会見 平成23年4月12日(火)
 http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201104/12kaiken.html
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