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2011/04/21
菅総理(党代表)、福島で2つの避難所を訪問


 菅直人総理(党代表)は21日、福島県に入り、東京電力福島第1原子力発電所から20キロ圏内の皆さんが避難生活を送る施設を訪問。福山哲郎官房副長官、福島県選出の増子輝彦参議院議員も同行した。

 第1原発がある大熊町の住民らが避難している田村市総合体育館では、同市の冨塚宥●(日へんに景)田村市長、渡辺利綱大熊町長から現状について話を聞いた。また、警戒区域となっている川内村と富岡町の住民が大半を占めている郡山市にあるビッグパレットふくしまでは、原正夫郡山市長、遠藤勝也富岡町長、遠藤雄幸川内村長らの案内で館内を回り、「たいへんなご苦労をおかけしている」と避難している方々にねぎらいの言葉をかけてまわった。

 訪問後に記者からの質問に答えて菅総理(党代表)は、一日も早く将来の展望が見えるような形を取りたいと思っていると述べ、引き続き全力で取り組んでいく考えを表明した。

 「一日も早く自分の家へ戻りたい、戻れるように政府としても全力をあげてほしいという要請が一番つよかった。東電の計画をもっと前倒しして、国としても努力をして一日も早い、将来の展望がもてるような、そういう形を取りたいと思っている」とも語った。

 半径20キロ圏内にも避難を呼びかける計画的避難区域に関しては地元の自治体と最終調整を行っているとしたうえで、「理解を得られれば明日には決めたい」と語った。
 今後の取組みについては、「地元のあらゆることについて地元の自治体の皆さん方の声を最大限に聞くことをベースにして、さらなる対策を進めていきたいし、約束してきたところだ」と述べ、地元の意見を最優先に進めていくとした。

 国策である原子力行政と共生してきた福島県民にメッセージをとの地元記者の求めに対して、「長年進めてきた事業であるので、国が最後まで責任をもつということをまず福島の皆さんにお約束したいと思う」と表明した。また、いろいろな形での風評被害が出ている一方で、福島産も含めて市場に出ているものは安全だからと大いに購入して、それによって被災地のみなさんを応援しようという声も出ていることにも言及。観光地への誘致なども含めて、こうした地域を応援するキャンペーンを政府として展開する考えも示した。

 菅総理はさらに、「福島県民のみなさんには地震津波に加えて大変大きな原発被害という大きな重荷を負わせてしまっているが、その分、国としてはより大きな責任があると考えて全力をあげて、取り組む」とも改めて語った。
 

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