民主党の江田五月司法担当ネクスト大臣は12日、国会内で記者会見し、党司法制度改革プロジェクトチームがまとめた提言「市民が主役の司法へ=新・民主主義確立の時代の司法改革」を発表した。
国民にとって高価で、不便で、時間がかかり、敷居が高くなっている司法を国民主権の理念に則って構造改革するもので、次の10項目からなっている。
(1)法曹人口を10年後には、5万人とし国民に対し法的サービスが行き渡るようにする。
(2)民主的な推薦委員会の選任手続きにより、法曹経験の豊かなものから裁判官を選ぶ法曹一元制度を、21世紀初頭の遅くない時期までに実現する。
(3)市民の司法参加である陪審制・参審制を実現する。
(4)行政訴訟手続を改革し、行政に対する国民の権利保障を行いやすい制度を実現する。(5)少年の健全育成、家事紛争の解決や豊かな後見制度のために、家庭裁判所の機能を飛躍的に充実させる。
(6)法律扶助制度を充実させ、実効ある支援制度を実現する。
(7)犯罪被害者基本法を成立させ、被害者の権利を確立する。
(8)裁判の迅速化と証拠開示や証拠の早期提出等の適正化をはかる。
(9)仲裁制度等裁判外紛争処理制度(ADR)を充実させ、隣接士業を活用する。
(10)最高裁判所のジェンダ−バランスを実現する。
(1)では、わが国の法曹人口を、司法試験制度の改革やロースクール(法科大学院)制度などにより、質とともに量的に充実させることをめざす。
(2)では、裁判官のキャリア制度をやめ、市民生活に密着した経験をもつ法律家から裁判官を選ぶ「法曹一元」制度を実現させる。
(3)は、厳格な手続きによって選ばれた市民が陪審員として裁判に参加する制度、「陪審制」を復活させる。また事案に応じて市民が裁判官と共に審理に参加する「参審制」を導入する。
(4)は、きわめて制約が多く、使いにくい現在の行政訴訟制度を抜本的に見直し、訴えの利益や当事者適格の緩和や不服対象の拡大などを行う。
(10)では、民主党が政権をとった場合にはただちに女性を最高裁判事に登用する、としている。
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