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2011/05/04
菅総理、福島県双葉町民の避難所を訪問し意見交換 埼玉県加須市




 菅直人総理大臣(党代表)は4日午後、福島第1原発事故の影響で福島県双葉町の住民が集団避難している埼玉県加須市の旧騎西高校を訪れ、井戸川克隆双葉町長と意見交換を行った。また校内の全ての部屋を訪れ、当初の予定を大幅に上回る5時間近くをかけて、避難している町民の意見や要望をうかがい、「政府も最大限努力し、皆さんと一緒に頑張っていく」と激励した。

 菅総理は井戸川町長との意見交換で、町民に大変な苦労をかけており、早く帰りたいという思いを強く感じているとし、「政府としても出来るだけ早く元の生活に戻れるよう全力を挙げる。東電の工程表では6〜9カ月、およそ年明けには(原子炉が)安定状況になる。モニタリング等を行いその時点で帰宅できる時期を判断することになる」との見通しを伝えた。さらに菅総理は、「政府として、何が一番町民にとっていいのかを、最後の最後まで全力を挙げて考え支えていく」とも述べた。

 その後菅総理は、町民たちが生活する全教室、体育館をひとつひとつ訪れた。「早く町に帰ることが出来るようにしてほしい」「被災者の高速道路の通行を無料にしてほしい」「住宅ローンの減免措置をしてほしい」「現場で頑張っている東電の職員のこともわかってほしい」など多くの意見や要望、涙ながらの訴えに真摯に耳を傾け、「皆さんの要望を聞いて、早く元の生活に戻れるよう全力を挙げる」と応えた。

 視察終了後に菅総理は、「本当にご苦労をいただいていることが身に染みて分かった。何としてもこの原発を正常な状況に戻して、出来るだけ早く元の生活に戻ってもらうために努力をしなくてはいけないと改めて思った。あわせて補償についてもしっかりとした対応をしていく」と記者団に述べた。

 この日の視察には、上田清司埼玉県知事、大橋良一加須市長、福山哲郎官房副長官、増子輝彦参院議員(福島県選出)、高山智司、本多平直両衆院議員も同行した。
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