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2011/06/07
第12回原発事故影響対策PT総会を開催




 国会内で7日、第12回原発事故影響対策PT(座長:荒井聡衆院議員)総会が開かれ、「福島原発事故対応における中長期対策チームの取り組み」について馬淵澄夫首相補佐官が、「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書」(下記関連ページ参照)について細野豪志首相補佐官がそれぞれ説明。それを受けて出席議員が意見交換した。

 馬淵補佐官はまず、政府における東日本大震災関係の対策本部のあり方・推移等について説明。特に政府側・東電側それぞれの責任者を配置して、(1)中長期対策チーム(2)放射線燃料取り出し・移送チーム(3)リモートコントロール化チーム(4)長期冷却構築チーム(5)放射性滞留水の回収・処理チーム(6)環境影響チームの6つの特別プロジェクトチームを設置。法に基づく組織がないという状況のなかで、それぞれの位置づけを明確にしたうえで、原発事故後に発生した問題にそれぞれ特化した形で取り組み、その後に原子力災害対策本部と統合されたこと等を明らかにした。

 初期においては水素爆発後に飛散しかねない放射性物質を含んだ粉じんをいかに抑えるかの「遮へい」に注力。その後は放射性物質の封じ込めも含めて考えて行かなければならないということで中長期対策チームを組織し、(1)大気中の放射性物質の飛散防止、遮へい、(2)地下水の汚染拡大防止、地中の遮へい(3)余震や津波等、さまざまなリスクを想定した対策への取り組みを行っている等の説明があった。

 また、東京電力が5月17日に示した事態収束のロードマップには4月段階のそれを見直す形で、特に地下水の汚染拡大防止・地下水の遮へい工法の検討などが加わったことを馬淵補佐官は明かした。

 一方、細野補佐官からは、原子力災害対策本部がまとめた「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書――東京電力福島原子力発電所の事故について――」の説明があった。

 報告書は、「はじめに」から、事故前の我が国の原子力安全規制等の仕組み、東北地方太平洋沖地震とそれによる津波の被害、福島原子力発電所等の事故の発生と進展、原子力災害への対応、放射性物質の環境への放出、放射線被ばくの状況、国際社会との協力、事故に関するコミュニケーション、今後の事故収束への取組み、その他の原子力発電所における対応、現在までに得られた事故の教訓、むすびまでの13章で構成。

 「国内の数多くの関係機関が一体となって対応に取り組んでいるところである」とするとともに「世界の人々に放射性物質の放出について不安を与える結果となったことを心からお詫びする」と陳謝したうえで、28項目の教訓を列挙した。
関連URL
  原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書−東京電力福島原子力発電所の事故について−
 http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html
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