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2002/05/31
【衆院外務委】5議員、瀋陽事件、ガーナ大使問題などを追及
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衆議院外務委員会の31日の質疑で、民主党から伊藤英成、金子善次郎、桑原豊、前田勇吉、首藤信彦の各議員が質問に立ち、瀋陽総領事館事件、浅井ガーナ大使選任問題、印パ対立問題などについて、外務省の対応を鋭く追及した。
質問のトップに立った伊藤議員は、瀋陽総領事館事件とガーナ大使問題について質問。総領事館事件では、幼い子どもや妊婦を含む亡命希望者たちを助けようとしなかった領事館の対応について「法とか条約以前の問題として、人権や人道、すなわち人間を大事にするという気持ちで仕事しているのか」と疑問を呈した。しかし川口外相は、「人道的観点で対応してきた」と通り一遍の答弁にとどまった。伊藤議員は、「今の外務省のどこに気概があるのか」と述べ、外務省全体の責任意識の希薄さ、志気の低さを厳しく指摘した。
ガーナ大使問題では、浅井和子氏が自ら監査役を務めていた企業の株価操作に関与していた疑惑が報じられていることについて質したが、川口外相は、「監査役だったことは事実だが、その会社が不法な株取引をしたことも、浅井氏が取引に直接関わったこともない」とした。
次に質問に立った金子議員は、支援委員会問題、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の原発供与プロジェクト問題などを取り上げた。支援委員会をめぐっては、東郷前オランダ大使らが日ロ青年交流委員会の支出で行った十数回の飲食について贈与の届け出を怠っていた問題についての調査状況を質したが、川口外相は「確認作業をしている」と回答するにとどまった。
KEDOプロジェクトについて金子議員は、北朝鮮に建設される2基の軽水炉で事故が発生した場合の損害賠償責任などについて質した。外務省の佐藤審議官は、「議定書の作成をめぐって協議している」としたが、金子議員は「次世代に関わる重要な問題が決まらないうちに工事が進んでいるのはどうなのか」と疑問を呈した。
また金子議員は、中国との取り決めによる国際機関「日中民間緑化協力委員会」に対して平成11年に日本から拠出された100億円が13年6月段階でもほとんど使われることなく繰り越されていた問題に言及し、同委員会の活動状況、経理内容などを確認。佐藤審議官は「調べて答える」と回答したが、金子議員は、国際機関には会計検査院のチェックも及ばない中で、主に日本が資金を拠出しているような機関については財務内容をより透明化する新しい仕組みを考えるべきではないか、と問題提起した。
桑原議員は、瀋陽総領事館事件に関連して、海外からの難民に対する対応を人道的見地から見直すべきではないか、と提起。法務省は、日本の難民認定率は他国と比べて低くない、などと反論したが、桑原議員は「率で測る問題ではない」と一喝。「暖かい国ではない」と言われ、申請者の絶対数が少ないことこそ問題だと指摘した。
前田議員は、ガーナ大使問題をめぐって、「浅井氏を新大使に推薦したのは誰か」と質問。川口外相は「答弁を差し控える」としたが、前田議員は「杉浦副大臣だと聞いている。選任の経緯をなぜ明らかにしないのか」と抗議した。
さらに、北方四島支援事業をめぐっては、国後島発電施設建設にまつわる疑惑を追及。東京電力などによる事前の電力事情調査で“時期尚早”“改修で充分”とされたにもかかわらず、それをくつがえして21億円をかけた新規建設が決まった経緯について、「誰がどう発言して決めたのか」と質した。川口外相は、1997年のクラスノヤルスク合意に則って2000年までに日ロ平和条約を締結するためモメンタムを高めようとした、などと答えたが、同時に「今の時点で考えると望ましい形で実施されたかは反省すべき点がある」とした。前田議員は、具体的な経緯をしっかり調査して発表するように要求した。
最後に質問に立った首藤議員は、ガーナ大使問題をめぐって、浅井氏がアフリカに造詣が深いとする根拠を質した。「適材だと判断した」「詳細は人事なので話せない」などと繰り返すのみの川口外相に対して、首藤議員は「これが、あなたが掲げていた“透明性のある外務省”なのか」と語気を強めて批判した。
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