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2001/02/13
「ゴルフを続ける首相の心理はいかに!?」=生方幸男議員が衆院予算委で追及


衆議院予算委員会で13日、森首相が欠席するなか、集中質疑が行われた。民主党・無所属クラブからは一番バッターとして生方幸男議員が質問に立った。

 生方議員は冒頭で、日本時間10日朝、ハワイ・オアフ島沖で起きた愛媛県立宇和島市立水産高校の実習船「えひめ丸」とアメリカ海軍の原子力潜水艦の衝突・沈没事故について、「ケガをされた方にお見舞い申し上げるとともに、行方不明となっておられる方が一刻も早く見つかることをお祈りする」と述べ、この事件に関する政府の危機管理能力について言及した。事件の情報を聞いても森総理が知人とのゴルフを続けた点について、「憤りを感じるとともに、失望した」と不快感を露にした。

 事故の第一報が入った経緯と各大臣への連絡について伊吹危機管理担当大臣が説明。また「森首相にも10時50分ごろ知らされたと思う」と福田官房長官が答弁した。

 これを受けて生方議員が「森総理はあくまでもプライベートで知人とゴルフをしていたとのこと。10時50分に情報を耳にした段階で、事の重大さを判断できたはず」とし、その場で中止して戻るのが当然の対応ではないかと迫った。また、首相が記者に対し「安倍晋三官房副長官によろしくと頼んだので、自分が帰って、バタバタ慌てても仕方ないのでゴルフを続けた」としている点も、結局、前日に当番であった安倍副長官に声をかけたにすぎないことが露見した。

 そもそも危機管理への対応としては、伊吹大臣・福田官房長官・安倍副長官の三人があたっており、3人のうち1人が在京することが決まり。この日の担当は安倍副長官大臣だった。その点について生方議員が「もちろん、官邸にいたのでしょうね」と質したのに対し、「30分以内に官邸に入れる場所なので、自宅にいた」と安倍副長官。「では、10時50分に情報を聞いたのだから、11時20分には官邸へ入ったわけか」と生方議員がたたみかけると、「1時10分ごろ到着した」とした。正確には安倍副長官が到着したのが13時12分、河野外相は同14分、福田長官が39分。森首相に至っては14時15分だった。この現実を前に生方議員は「これで危機管理ができるのか!」と悲鳴ともいえる声をあげた。

●自宅でもゴルフ場でも十分対応できる!?

 官邸への入りが遅れた理由として、安倍副長官は「危機対策本部を立ち上げるかどうか検討していた。自宅には防災無線も備えていたし、十分に情報は入っていたので、対応もできた」とした。さらに福田官房長官も「緊急時には指揮をしやすい場でやるもの。自宅で初動捜査を始めてしまい、情報も入ってきていたとすると、そこで処理するのも適切」と同調する意見を繰り返した。

 生方議員は「一本の電話でどれだけの情報が集められるというのか」と批判。さまざまな情報を総合的に判断することが求められ、そのために危機管理センターが設置されるのであるから、まったく矛盾する行動だと指摘した。

 首相経験者として問われた宮沢財務相も「オーディオビジュアルの時代、総理にそこにいてほしかったという感情もわかるが…」とし、危機管理能力に欠けるところはなかったと森首相擁護の立場をとった。

 生方議員は「ゴルフ場からの指示では、アメリカ側からも日本の首相はその程度の認識なのかと思われてしまう。そしてその後の処理にも重大な影響を及ぼしかねない」と分析。森首相がとった行動は国民感情としてどうしても許せないとし、「こういう方には日本をまかせられないという思いをあらたにした」と首相としての資質に疑問をなげかけた。
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