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2001/02/27
<えひめ丸衝突・沈没事故>鳩山代表、伊藤英成対策本部長が宇和島訪問
民主党の鳩山由紀夫代表と伊藤英成事故対策本部長は27日、米原潜が宇和島水産高校実習船に衝突・沈没させた事故に関して、事故のお見舞いと訪米団の調査報告をするとともに、行方不明者のご家族などから要望を聞くため、愛媛県宇和島市を訪れた。この事故に関連して、政党の党首クラスが同市を訪れたのは初めて。

 鳩山代表は最初に県立宇和島水産高校を訪れ、同校の堀田家孝校長や行方不明の寺田祐介さんの父親で「行方不明者家族の会」会長の亮介さん、副会長の野本光徳さん、奥谷PTA会長と面談した。

 堀田校長からは「生存を信じて捜索活動を続けて欲しい、えひめ丸を必ず引き上げて欲しい、原因究明を徹底的に行って欲しい」との要望を承った。また、「冷静に考えたとき、すでに行方不明になって、海のああいう環境の中で16日たっている。9名の生命の重さを感じ、しっかりと対峙しなくてはいけない時がきている」との大変つらい思いを涙ながらに語られた。

 寺田さんは、「事実を隠そうとする米側の全く誠意のない対応であった。なぜ船を引き上げて欲しいと自分たちが言っているのか、その気持ちを米側はまったく理解していない。ブッシュ大統領に直接会って日本人の気持ちを伝えたい」と米側に対する厳しい不信感と切なる思いを訴えた。さらに、「日本政府の対応も、及び腰どころではない。日本政府には国民を守るためにきちんとこたえてほしい」と、強い不満を述べた。

 また堀田校長は、「もしこれが英国の実習船であったらどうだったか。要望について、国と政治と県を信頼して対応をお願いするという姿勢でいる。政治、政治家、そして日米関係のレベルアップを図ってもらいたい」と語った。

 鳩山代表と伊藤対策本部長は、「3項目のご要望、9人の生命の重さに対峙するというつらいお気持ちをしっかり受け止めて、党利党略ではなく、政党活動をしている一個の人間としてやるべきことを全身全霊、全力で協力させてもらいたい」と述べた。

 その後、宇和島市役所で石橋寛久市長と会談。鳩山代表より、堀田校長はじめ宇和島水産高校での面談内容について伝えたところ、市長からも、「行方不明者の捜索継続、船体の引き揚げ、原因究明が関係者の希望だ」として協力の要請があり、鳩山代表は、民主党としても関係機関に働き掛けるなど努力する意向を示した。

 鳩山代表はその後、同市役所で記者会見を行い、午前中に宇和島水産高校で面談した行方不明者の家族から、日米双方の対応への強い不満があったことを踏まえ、「日米関係にとって決してプラスではなく、米国はさらなる誠意をみせていただきたい。日本政府も責任を持って外交をしてほしい」と述べた。一両日中にフォーリー駐日米大使と会談し、船体引き揚げや真相究明などをさらに強く求めていくこととした。         
 鳩山代表一行はこの後、松山空港で愛媛県の加戸守行知事と会談、事故の対応で協力していくことを確認した。   
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