2001/02/28
<村上正邦前議員証人喚問＞櫻井充議員の尋問（全文）
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●櫻井 本会議質問についてうかがいたい。９６年１月に村上証人が本会議で行った代表質問については、古関理事長から働きかけが何かあったのか。
●村上 まさにそのことが受託収賄の疑惑をかけられている。また先日の地検の事情聴取で聴かれていることなので、これは最初に申し上げたとおりに、控えさせていただきたい。
●櫻井 先ほど、執行部の承認があったとの話だが、これは９６年１月時点で自民党の基本的な方針だったのか。
●村上 そのころの記憶は、いまここで定かではない。
●櫻井 このときに、橋本総理が「興味を持って勉強させていただきたい」と前向きに答弁したが、この答弁を引き出すために、労働省に働きかけたことはあるか。
●村上 そんなことはございません！。
●櫻井 官房もしくは、橋本総理に働きかけたことはあるか。
●村上 （声を荒げて）ございません！
●櫻井 しかし、その時点で与党の中できちんと決まっていないものが、政府の方から前向きな答弁が引き出せたのか、まず私はひとつ疑問点がある。
そしてもうひとつ、このことを推進していくために、ＫＳＤが開催した、中小企業決起集会に橋本総理が出席して、ものつくり大学の構想を評価して、政府として真剣に検討する考えを述べている。このときの橋本総理に村上証人は出席を依頼したか。
●村上 橋本総理でなく、当時は村山総理、土井議長だったはず。案内状は私のほうからではないが出ているはずだ。中小企業者が５万人集まるということは、中小企業者が抱えている問題へ政府としても、自民党だけでない各党あげての、５万人に対するメッセージは当然あった。私が依頼したからお見えになったわけではない。
●櫻井 ９６年６月に国際技能工芸大学設立議連が自民党の中に発足した。この発足に当たって古関理事長から何か要請はあったか。
●村上 古関さん・ものつくりという話になってくると、どうしてもやはり最初の訴追にかかってくるから、申し上げたくてもなかなか申し上げられないのが現状ですから、そこは理解してほしい。
●櫻井 基本的なことを聞くが、先ほど「身の潔白を証明したい」とおっしゃった。いま証人ご自身は潔白だとお考えなのですか。
●村上 私は、これは司法において、きちっと明らかにしていきたい。
●櫻井 そうではなくて、現時点で潔白だとお考えなのか。
●村上 わたしは証人喚問を受ける以上、堂々と公明正大に皆さん方の尋問に対してお応えすると言うことで、出てきているわけだ、当時。しかし今は事情が違う。
●櫻井 不思議なのは、正々堂々とおっしゃるのであれば、一番そこのところをわれわれはききたいし、テレビをご覧になっていらっしゃる国民も聞きたいと思っている。あなたは参議院の地位向上にかなり努力された。こういう証人喚問が行われて、何も発言なさらず何もはっきりしたことがわからなければ、国会と言うところは何をやっているところかと思われるのではないか。
改めてうかがうが、マスコミの報道に寄れば、５０００万円を９６年の１０月にＫＳＤ側から受け取ったとあるが、真実か。
●村上 訴追の恐れがあるのでお答えできない。
●岡野委員長 正当の理由のない証言拒否は禁固、罰金という規定があるが、それでもなおかつ証人は拒否しますか。
●村上 議員というのは、立法府で法律を作り遵守していくが、憲法の中にも訴追の恐れのあるときは証言拒否できると、証言法の中にもあるので、それは認めていただきたい。
参議院の権威を高めることは、バッジをつけている間、人後に落ちません！
●岡野委員長 証言を拒否する理由は、訴追を受けるおそれがあるから。これに間違いはないか。
●村上 それは委員長ね、今日の新聞を見てもわかるでしょ。具体的に受託収賄の…。
●岡野委員長 （割って入って）理由は私の申し上げたとおり間違いないか。
●村上 そういうことであります。
●岡野委員長 ただいまは村上証人は、証言を拒否されました。従いまして、本件につきましては後刻理事会で協議する。
●櫻井 ものつくり大学への国からの補助金を増額したと変更要求についてうかがう。平成１２年度予算で約２０億円が変更要求で増額された。これは古関理事長から要請があったのか。
●村上 これも訴追の恐れがあるので、控えさせていただく。
●櫻井 少なくとも、決定過程だけでも教えていただきたい。２０億円の増額は、自民党の部会なり政調なり総務会で承認されたことか。
●村上 存じません。
●櫻井 そうすると、この２０億円の増額はいったいどなたがお決めになったのか。村上証人の知っている範囲でけっこうだ。
●村上 これはご承知のように、所管官庁と大蔵省で話して決まるものではないかと思います。
●櫻井 １１月に朝食会が行われた際に、古関氏、亀井静香氏、村上氏が出席されていたと労働省の方が言っていたが、村上証人はそこで２０億円増額を要求したか。
●村上 そういう具体的な話は朝食会の時にはない。
●櫻井 この間、厚生労働省の方からは亀井さんからそういう話があったとおっしゃっている。それでも思い出せないか。
●村上 いや、あなたからあったのではないかとおっしゃるから、そういう具体的な話はないと申し上げている。
●櫻井 その場で亀井さんの口からは２０億円増額の話はでたか。
●村上 その朝食会ではあなたの言うような具体的な結論までにはいたらなかった。記憶として申し上げている。
●櫻井 額が２０億円という事でなかったにしても、変更要求、増額をするようにという働きかけはあったか。
●村上 働きかけとかそういう性質の朝食会ではない。
●櫻井 この変更要求を行うことについて、村上証人は亀井政調会長に協力を要請したか。
●村上 よく質問がわからない。具体的に働きかけたとか、かけないということではなく、現状はこうなっているという状況が振興財団から話があって、じゃあどうするのかねという事になって、私個人でなく議連の立場で出ていたので、私どもとしてはあまり無理をしない形で開校にこぎ着けられるようなことであれば、そういう方向で労働省が考えてはどうだというような話ではなかったかと思う。何でもかんでも、無理を通してむりやりやっているという印象は与えないようにしていただきたい。
●櫻井 議連の立場という話があったが、議連の中では、早期にものつくり大学を実現するために、１２年度の予算増額をするべきだとの話は出たのか。
●村上 ものつくり大学のそこまでの結論は出ていなかったと思う。
●櫻井 設置認可申請を文部省に行い、なかなか認可が下りなかったので、早期に認可を降ろすように中曽根弘文文部大臣に働きかけをしたことはあるか。
●村上 早くおろせというように改めて陳情を申し上げた記憶はよみがえってこない。
●櫻井 今よみがえってこないと言うのは、あとからよみがえってくる伏線か。
ＫＳＤ会員獲得に多くの金融機関が関与している。このことを実現するために、旧大蔵省の関係者を金融機関に協力するように働きかけたと報道されているが、村上証人はそのような関係者を古関理事長に紹介したとか、いっしょに食事をされたことがあるか。事実関係の確認だ。
●村上 そういう記憶は今ございません。
●櫻井 中村勝彦さんという方を先ほどご存じだとおっしゃったが、この方は中小企業総合研究所の役員だが、その社長はどなたかご存じか。
●村上 築比地（ついひじ）何某という人だ。
●櫻井 この方は中曽根元総理の秘書だった人だ。この当時、古関さんの側近だった中村さんがお辞めになって、代わりに採用された方をご存じか。
●村上 知らない。
●櫻井 柿沢議員の元秘書だ。こういう中で、村上証人は、ある意味で政界工作のエージェントだったのではないか。つまり少なくとも、小山前議員、村上証人以外の政治家がまだまだ関与しているのではないかという感じがしている。
最後にお伺いしたいが、私たちが思っているのは、ＫＳＤをバックにして、党内で力を付けられて、密室５人組の一人として、森総理の誕生に暗躍されたと思っている。ＫＳＤの問題で政治不信を招いただけでなく、その森総理を誕生させたことで現在の政治の混乱を招いていると考える。まずひとつは、ＫＳＤ問題に関して、やはり国民の皆さんにお詫びすべきでないかと思うが、今の政局の中で、日本の総理としてふさわしいとお考えか、最後に質問する。
●村上 答える立場ではない。
（おわり）
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