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2001/04/06
民主党の歯科医療改革案を発表〜治療歯科から予防歯科へ転換
 民主党は「歯科医療改革案」を5日のネクストキャビネットで了承し、6日、金田誠一厚生労働ネクスト大臣と「歯科診療を考えるワーキングチーム」(WT)座長の櫻井充参議院議員が記者会見で発表した。

 この改革案は、これまで医科と比較して軽視される傾向にあった歯科診療を、技術や研究の進歩や、歯が全身に与える影響、少子高齢化社会に対応した医療制度をふまえて、求められる歯科診療のあり方を提言したもの。(1)歯科重視の医療体制の確立(2)治療歯科から予防歯科への転換(3)患者が安心できる環境づくり--の3つを柱としている。

(1)歯科重視の医療体制の確立
 医科・歯科間で大きな開きがある初診料・再診料を今後10年間で段階的に是正していく。また、現行の身体障害者福祉法では、歯科医師は身体障害者手帳のために診断書を作成できない「咀嚼・嚥下(そしゃく・えんげ)障害」の診断書作成が歯科医師ができるようにする。
 さらに、医科と歯科の相互理解、提携を進め、歯科と全身疾患の関係を重視した歯科医療を推進。これによって、医療費や介護費の削減に結びつける。

(2)治療歯科から予防歯科への転換
 現在歯科医師会が推進している現行の8020運動(ハチマルニイマル運動=80歳で歯を20本残す)は目標が遠く感じられるので、これを補完するために、10−00運動(イチマルゼロゼロ運動=10歳のときに虫歯ゼロ)を提唱する。また、予防重視の診療報酬体系への抜本的改革として、治療すればするほど利益を得るという現在の診療報酬を是正し、予防歯科への転換を可能にする診療報酬体系への見直しを行う。

(3)患者が安心できる環境づくり
 どこまでが保険診療でどこからが自費診療になるかといったインフォームド・コンセントの徹底や歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の相互連携によるチーム医療の確立などをめざす。保険点数を上げることで歯科技工士・歯科衛生士の労働条件を整えることにより、質の高い医療につなげる。さらに、感染対策のための保険点数評価を見直し、患者が安心して治療が受けられるように歯科における院内感染対策が十分図られるような措置を講じる。
関連URL
  歯科医療改革案
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11546
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