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2001/05/11
ハンセン病国家賠償訴訟で原告全面勝訴=江田、金田、加藤議員が現地行動を激励
ハンセン病国家賠償訴訟の初の判決が11日、熊本地裁で言い渡され、原告側が全面勝訴を勝ち取った。判決は、「らい予防法」(96年廃止)を根拠とした戦後の強制隔離政策を全面的に誤りとし、国の責任を明確に認めた画期的な内容。苦しい境遇の中で裁判を闘ってきた原告からは、「これで俺たちも人間になれるという思いだ」と歓喜の声が上がった。

 この日、民主党の金田誠一、加藤公一の両衆議院議員が原告団の判決前の現地集会に合流。原告や弁護団を激励した。午前10時すぎに、判決が出ると、熊本地裁前につめかけた大勢の関係者や支援者たちから歓声が上がり、金田、加藤両議員も、原告団とがっちり握手。全面勝利を喜び合った。

 今回の判決は、強制隔離を定めた「らい予防法」そのものの違憲性を1960年の時点にさかのぼって認めたばかりでなく、それを改廃しなかった国会の過失(「立法上の不作為」)をも65年以降について認定した、異例の内容。加えて、賠償請求権が消滅する除斥期間の適用についても排除した。なお、賠償金については、原告127人全員に総額18億2380万円(入所期間などに応じて一人当たり1400万〜800万円の4ランクに区別)を支払うよう国に命じている。

 判決報告集会で挨拶に立った金田議員は、「今日の判決を皆さんとともに心から喜びたい。これをテコに、一日も早い全面解決を実現するため、超党派のハンセン病問題議員懇(『ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会』)も全力で奮闘する」と決意を表明。加藤議員は「判決が指摘した国会の責任をしっかり受け止め、国による控訴など許さずに、みなさんとともに最後まで頑張る」と力強く発言した。

 また、前日に熊本市の白川公園で行われた前夜集会では、ハンセン病問題議員懇の会長を務める江田五月参議院議員も参加。江田議員は挨拶で、「明日は、原告、そしてすべての入所者一人一人の人間回復の第一歩が印される日になると信じている。20世紀の間違った歴史を乗り越え、差別のない21世紀をつくるために共に歩もう」と呼びかけ、1500名の参加者は大きな拍手で応えた。
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