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2001/05/18
<衆院法務委>「金正男」不法入国問題で対応を追及=平岡秀夫議員
衆議院法務委員会で18日、平岡秀夫議員が質疑に立ち、北朝鮮の金正日国家主席の長男金正男氏と見られている男性ら一行の不法入国問題に対する政府の対応について追及した。

 平岡議員は、一行を中国へ強制退去させるという判断を下した際の前提となっている事実関係が国民に明らかになっていないとして、事件の具体的経過を質していった。とりわけ、入国審査で最初に一行を不審だと判断した根拠について、法務省入管局長は「アジア系外国人がドミニカ共和国発行の旅券で不法入国する」といった未確認情報を事前に得ていたことを認めたものの、森山法相は「知らなかった」と答弁。入管行政のずさんさをさらけ出した。

 また、一部報道に一行の偽造旅券のコピーが出回っていることについて、その出所を追及。森山法相は「入管当局から流出した事実はない」としたものの、流出元を把握していなかった。平岡議員は、外務、警察当局を含めて流出経路の解明にあたることを要求した。
 さらに、外務省職員3名が一行の中国への送還に同行した目的、またその費用の拠出元についても質問。外務省のアジア大洋州局長は、「フィーバーの中で不測の事態を避けるため」に省の外国旅費を使って行ったことを明らかにしたが、平岡議員は「わざわざ中国に行って出迎えた高官に一行を引き渡しながら、彼らの人定の確認もしないで帰ってくるとは、そんな外交があるのか」と強く批判した。
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