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2001/06/14
ホームレス自立支援法案を議員立法で提出
民主党は14日、議員立法でまとめた「ホームレスの自立の支援等に関する臨時措置法案」を衆議院に提出した。ホームレス問題ワーキングチーム座長の鍵田節哉衆議院議員と、事務局長の山井和則衆議院議員がその後、国会内で記者会見した。。

 まず「先進国でホームレスについての法律がないのは日本くらい。ホームレスと言えば、怠け者、というイメージがあるが、実際にはホームレスのうち約7割が職を得て、働きたいと希望している。地方自治体任せから、国の責任と財政支援を明確にした」と鍵田座長が概要を説明。

 次に山井議員が、「現在3万人とホームレスは推定されるが、小泉首相の財政再建や構造改革により、ますます増えようとしている。ニューヨークでさえホームレスは、1000人以下なのに、大阪で約12000人、東京で約6000人ものホームレスが放置されているのは、行政の怠慢である。本人の怠慢というよりは、日本の労働政策の問題だ」と指摘した。

 この法案は、就労意欲のあるホームレスの人々に仕事を斡旋するなど、自立支援をすることが狙い。法案のポイントは、(1)ホームレス問題への国の責任を明記(2)ホームレスの人々の就労・職業訓練・住居の確保・医療の確保などの支援(3)NPOなどの民間団体との連携(4)都道府県に実行計画の策定を義務付ける(5)ホームレスの全国規模の実態調査を行う(6)ホームレス自身の自立への努力を求める(7)「国民の協力」として、ホームレスの自立支援センターや宿泊所建設への理解を求めた。

 昨年10月からWTを発足させ、ホームレスの方への聞き取り調査や支援するNPOとの連携で8ヶ月がかりで法案提出までこぎつけた。民主党では今国会中の審議入りを各党に働きかけていく予定。
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