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2001/06/20
鳩山代表VS小泉首相・党首討論第3回
「京都議定書批准は新しい価値感発信の絶好の機会」


鳩山由紀夫代表と小泉首相の3回目の党首討論が20日、参議院第一委員室で行われた。鳩山代表は、前回にひき続き、地球温暖化防止のための京都議定書を日本政府が批准するよう強く求めた。

 議論の冒頭で、鳩山代表は「21世紀はこれまでのような経済成長至上主義ではなく、新しい価値観が世界規模で求められている」と骨太な議論を展開。その象徴が京都議定書だとして、鳩山代表は「経済大国の日本だからこそ、率先して批准すべきだ」と強い口調で求め、「21世紀の新しい価値感を世界に発信できる絶好の機会でもある」と主張した。
これに対して小泉首相は、6月30日の日米首脳会談までに検討すると述べただけで、自らの考えは示さなかった。鳩山代表は「アメリカが批准しなくても、効果はある」「アメリカはノーでも日本はイエス。経済成長資本主義から新しい価値観を見出す絶好の機会を逃すな」と重ねて訴えた。

●民主党若手が調査したら3日で解決

 鳩山代表は続けて、外交機密費問題に言及。「外務省改革を叫ぶ田中真紀子外相だが、官房機密費問題については歯切れが悪い」「お上意識の残滓(ざんし)が機密費の問題だ。塩川正十郎財務相のように『忘れた』とか『30年後に話す』との答弁は許されない」と批判し、「機密費の調査を民主党の若手(議員)にやらしてもらえれば、3日あれば解明してみせる」と迫ったが、小泉首相は、「わが党、わが政府において責任をもって対処する」と拒絶。さらに、鳩山代表は「民主党は10年、20年後に(機密費の中身を)必ず公開する。使途も限定して大幅に削減する法案を提出した。賛成してもらいたい」と提案したが、首相は「公開できないから機密費だ。明らかにできないものもある」と前向きな姿勢を見せなかった。

●天下り禁止議論はかみ合わず

 さらに鳩山代表は、「機密費より百倍税金を食べているのが(天下りする役人の)渡り鳥だ。7年間で特殊法人、公益法人に1000人を超える人が天下りしている。ある公団理事長は時給43万円で首相の2万円よりかなり大きい。この実態をどう考えるか」と、天下りの問題を追及。小泉首相は「行政の構造改革は私が長年主張してきたこと。ゼロベースでの見直しは小泉内閣になって初めて本格的に動き出している」と主張したが、話は次第に「郵政3事業の民営化こそ特殊法人の大元だ」と声高に叫びはじめるなど、脱線しはじめた。

 鳩山代表が、「天下りに十分なメスが入れられていない。自由、社民両党と協力して特殊法人、公益法人への天下りを五年間禁止する法案を準備して今国会中に提出する。賛成してほしい」と迫ったが、首相はこの問題に触れずに、「なぜ特殊法人、公益法人のことばかり言って郵政三事業のことを言わないのか」と持論をひたすら展開するだけだった。
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