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2002/06/12
【党首討論】鳩山代表、不祥事追及で首相の指導力欠如を批判


 今国会における2回目の党首討論が12日に行われ、トップバッターとして発言に立った民主党の鳩山由紀夫代表は、非核政策、政治倫理確立、防衛庁リスト問題などをめぐって小泉首相を厳しく追及した。

 主なやりとりは次の通り。

<非核政策>

鳩山 米国の核戦略が変化している中で、日本はどう対応するのか。ブッシュ米大統領は国家安全保障会議において、「ならず者国家」とか、テログループに対しては「核先制攻撃もありうる」と言って検討を始めた。小泉首相はどう考えているか。

小泉 ブッシュ大統領との会談で米国の考え方を聞いた。基本的にはブッシュ大統領も平和的解決を望んでいる。しかし、あらゆる選択肢は残しておく、と。

鳩山 その後も様々な変化が起きている。特に、ラムズフェルド国防長官が、核兵器を小型化して実戦に使えるようにすることを検討していると言っている。日本政府として核廃絶を望むのであれば、核先制使用など決してやってはならない、と自制を促したのか。

小泉 自制心を持って安全保障の問題にそれぞれの国が対応するよう働きかけている。

鳩山 例えば、インドとパキスタンの間ではカシミール問題で核戦争へ一触即発の状況になっている。そういう時に、官房長官や副長官が「世論が変われば…」「憲法改正を言う時代だから…」などと誤解を招くような発言をする。その結果「ニューヨークタイムズ」の1面で“日本は50年間守ってきた核のタブーに挑戦し始めた”と報じられ、何百万人もの人々が読んだ。政府として訂正を求めたのか。これをなお「大したことじゃない」と言うのか。

小泉 新聞がどう報道するかは、私たちが言っても聞くものではない。官房長官も、非核三原則を変えるとはひとことも言っていない。誤解しないでほしい。

鳩山 報道されてしまったことについてどうなのか。外交というのは、相手が日本をどう認識しているかが大きな問題だ。総理は外交に責任感を持っているとは思えない。

<政治倫理確立>

鳩山 今通常国会では不祥事が山のように起きて、国民は政治を信頼できない状況だ。与野党を越えて、政治家とお金の問題を厳しく律する法律をつくらねばならない。公共事業受注企業からの政治献金を一切禁止する法案を4野党が提出したが、与党は審議に応じようとしない。総理が「やろう」とひとこと言えば大きく進展する。

小泉 与党間で協議している。

鳩山 せっかく最初に規制すべきだと発言したのに、どうして最後までリーダーシップを発揮しないのか。あっせん利得処罰法改正案も抜け道だらけで、これでは自民党のやり放題。真剣に法案を見てほしい。

小泉 不祥事を反省しながら、充分に議論してほしい。

<防衛庁リスト問題>

鳩山 武力攻撃事態特別委理事会で政府はウソをついた。(防衛庁の)詳細な調査報告書があるのに、4ページの薄いものしかないと。どうしてこういうことをするのか。与党と官邸が“厚い報告書はなかったことにしよう”と指示したと報じられている。

小泉 私は、よく調査して、すべて明らかにしなさいと指示した。ウソをつけなんて言っていない。

鳩山 (調査報告書を)出すな、と止めたのは与党だ。(総理の)指示が与党に通っていないことをどう思うのか。

小泉 私はきちんと指示した。今後、委員会の状況を見て、反省すべきところがあったら、反省するように言う。

鳩山 また他人事なのか。なぜリーダーシップを発揮しないのか。薄い報告書では「証拠隠しと言われてもやむを得ない」といった文言が削除されている。厚い報告書と内容にズレがある。報告書の内容が信用できない。第三者機関にしっかり調査させよ。また、虚偽報告の責任をどうとるか明言せよ。

小泉 どういう点が問題なのか、国会の場で、担当委員会で、協議を進めていると思う。

<なぜ総理には改革ができないか>

鳩山 なぜ総理に改革ができないか。その理由は3つある。
(1)政治とカネにまつわる政官業の癒着構造の改革をやっていない
(2)旧来の官僚機構を温存し、それに依存した
(3)自公保政権をそのまま継承し、族議員と妥協した
総理に改革への志がわずかでも残っているなら、政治一新をなさねばならない。すなわち、解散だ。その勇気はないか。

小泉 わずか1年で着実に改革を進めてきた。変わっているのは支持率で、私の改革の意志は変わっていない。解散は、全体の状況を見ながら、しかるべき時に行う。
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