ニュース
ニュース
2002/06/12
【衆院厚労委】金田議員、医療保険制度改革の全体像を提案
 民主党の金田誠一議員は12日、健保法改正案などを審議している衆議院厚生労働委員会で4回目の質疑に立ち、現在必要とされる医療保険制度改革について7本の柱を示して坂口厚労相の見解を質した。

 金田議員の提案は、
(1)高齢者が国保に集中する現行制度の構造改革が必要。「突き抜け方式(継続加入方式)以外にない。
(2)保険者間で、被保険者の負担の公平等のために「リスク構造調整が必要」。(3)医療費の適正化を期すためには、社会保険という管理された枠内での競争原理、「マネージド・コンペティション」の仕組みが必要。
(4)これらを担う保険者機能を確立するには、保険者の数を1/10程度に再編成するとともに、すべての保険者の健保組合化など民営化が不可欠。
(5)患者自己負担は、患者と医療提供者側のモラルハザードを防止するレベル(ドイツ並の総医療費の6%)で十分。
(6)高齢者の自己負担は、エイジズム(年齢による特別視)を排除する観点から現役世代と同一の負担割合とする。その前提として最低保障年金の制度化が必要。
(7)高齢者医療を税を中心とした独立方式で設計することは、エイジズムそのものであり採用すべきでない。新制度への移行にあたっては現行の保険料、税、自己負担の負担割合で移行し、将来的には保険料の割合が高まらざるを得ない
──というもの。

 この提案について所見を求められた坂口厚労相は、「大変建設的な意見。具体的にはご指摘の通りという点と、果たしてうまくいくかという点もあるが、保険料中心という考え方は同感だ。ただ、人口構成のいびつさから、多少税への依存が大きくならざるを得ないと私は考える。保険料中心だと、若い人の保険料も増え、国民負担率が上昇することについての国民的合意が得られるかどうかが問題だが、趣旨はよくわかる」と答えた。

 金田議員は、「今回の法改正では、本来こういう議論をするはずだったが、厚労相のそのような考えに基づいた法案が出てきていない。法案の廃案・撤回を強く求める」と述べ、健保法改正案についての質疑を締めくくった。
記事を印刷する