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2003/01/18
【党大会】活発な質疑ののち、党活動方針を了承


 大会提出議案についての岡田克也幹事長の報告・提案に続き、あらかじめ質疑通告のあった6人の代議員・特別代議員が質疑に立った。菅代表ら執行部は、答弁のなかで、質疑者から出された意見を今後の党運営に反映すること表明。大会は、執行部から提出された全議案を代議員の満場の拍手で了承し、閉幕した。

【京都】坂田緑郎代議員

 本来、この大会は統一地方自治体選挙と解散総選挙への対策が最重点課題と位置付けてしかるべき。しかし、議案書を見ると、統一地方自治体選挙への本部の姿勢に対し、いささか不満に感じる。都道府県連を通じ、公認候補者に10万円、推薦候補者に5万円を選挙対策費として本部から交付するというが、それではあまりにも考慮が足りないのではないか。ぜひ、厚い支援をお願いしたい。

【北海道】佐々木隆博代議員

 平成11年から13年の開業率はマイナス0.47%。これが失業者の増大にもつながっている。中小企業者への支援も必要だが、開業しやすい税制など、民主党だからこそできる政策をつくってほしい。また、公共事業にとって重要なのは費用対効果だけではない。スーパーに行くにも30分以上かかるという地域では生活という基準で道路のあり方を見てほしい。都道府県連と中央との定期的会議を開催すべきだ。

【愛知】波形昌洋代議員

 「民主党は危機的状況にある」というが、では党の再生・求心力を高めていくために具体的にどうするのか。統一地方自治体選挙までに、ある程度の方向性を示してほしい。国会審議を通じて、党の独自性を示し、求心力を高めていくとの説明が菅代表・岡田幹事長からあったが、それだけではインパクトが弱い。「今までの民主党とはココがちがう」という大胆な提示を求めたい。

【大阪】冨田健治代議員

 議案書4ページの活動方針のなかで「不良債権処理とデフレ対策を車の両輪として位置付け」とあるが、両輪というよりもデフレ克服が先。誤った認識をもたないでほしい。また、民主党と自民党との対抗軸がいまひとつ見えないのが問題だ。民主党が目指す世界をはっきりさせるべき。統一地方自治体選挙を戦う地方の身になって、これ以上ごたごたは起こさないでほしい。

【岡山】はたともこ特別代議員

 公募候補者として中山間の岡山5区での活動を通じて感じたのは、民主党の政策は、国民にメッセージとして伝わっていないということ。雇用政策や中小企業支援策など、はっきり、簡単明解な政策提示が不可欠。また、緑の政策の充実を求めたい。農林業の活性化・地球環境保全につながるだけでなく、循環型社会の構築、地方分権の確立につながる。自民党の補助金ばらまき農政とはちがう21世紀にふさわしい農林漁業政策が望まれる。

【山口】岩本晋特別代議員

 失業者や経営破たん者が年間3万人以上も自殺する状況にあって、現政権は何ら手を打っていない。今こそ、失業者・中小企業対策を民主党が中心となって国民運動として高めていくことが重要。リベラル政権につくりかえるため、菅代表のもと野党が結集して日本を変えてほしい。それこそが第三の道。だれもがわかる民主党をつくりだせば、国民の支持を得て日本を変えることができるはずだ。

 答弁に立った岡田幹事長は、統一地方自治体選挙候補者への支援について、「わずかといわれればその通り」として指摘を真摯に受止めつつも、現実問題として党の財政基盤の強化を優先したうえであらためて議論するとした。また、党本部と都道府県連とのコミュニケーションの強化については同意。党再生への秘策としては「自民党との対抗姿勢を打ち出していくことは単純なようだが大事」と述べ、これを軸に党再生を進めると表明した。

 枝野政調会長は、新規事業者への税制支援の必要性に対し理解を示し、「起業家倍増計画等を進めてきたが、さらに力を注ぎたい」とした。また、「道路はいらないと主張しているように民主党は思われがちだが、生活という視点を欠かしてはないない」と説明。こうした誤解を生むのもメッセージ不足によるものだとして、政策をより短く整理し、わかりやすく、国民に伝えやすくする冊子等をつくるなどして改善していきたいと答弁した。

 菅代表は「期待や活動に応えて、あらためて自分自身も頑張らなくてはならないという思いを新たにした」とし、大阪の冨田代議員の指摘には「私自身もデフレ対策にウエイトをおいていく」と答弁。農林水産政策・中小企業政策にも前向きに取り組んでいくとの考えを示した。また官と民だけでなく従来にはなかったNPOやパブリックのあり方を検討するなど、第三の道を考えていきたいと表明した。
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