今国会初の党首討論(クエスチョン・タイム)が21日、衆議院第1委員室で行われた。民主党の鳩山由紀夫代表は、日増しに自民党内で構造改革への抵抗が強まる中、小泉首相の改革への決意を改めて質した。
冒頭、鳩山代表は、「今日は総理の覚悟を伺いに来ました」と宣告。自民党内から構造改革反対の大合唱が起こっている状況の中で、どんなことがあってもやり遂げるという決意があるかを質した。
首相は、党内の改革への抵抗について、「“総論賛成、各論反対”というのはいつものこと。そろそろ出てくると思っていた」と余裕を見せ、「(抵抗勢力は)小泉がなくなれば自民党がなくなるということに気付いていない。断固初心を貫く」と決意を披瀝した。
これを受けて鳩山代表は、特殊法人改革の各論について質した。首相は、「もっとも改革が困難だと言われてきた」7つの公団・公庫について方針を説明。まず、4つの道路関連公団については「統合した上で廃止・民営化する」とし、同時に来年度から国費投入を打ち切り、既存の高速道路整備計画も見直す意向を表明した。また、住宅金融公庫については、業務をできる限り民間に委託して、5年以内に廃止する方向だとし、都市基盤整備公団と石油公団についても廃止の方向で見直すことを言明した。
鳩山代表は「よくぞ言ってくれた」と首相の方針を評価し、「7つの公団・公庫の改革はこれで国民への公約となった。どんなことがあってもやり抜いてもらわねば困る」と改めて改革の断行を要請。具体的に、道路公団の運営部門だけを民営化するという“上下分離”論に与しないことや、既存の道路整備計画をすべて一旦凍結することについて確認を求めた。
首相は、既存の道路計画について、見直しを前提に第3者機関で各事業の費用対効果などを検討する意向を明らかにしたが、「一旦全面凍結」という方針については明言を避けた。
さらに鳩山代表は、内閣と自民党との間で法案の事前審査のあり方などが議論になっていることに触れ、「内閣と与党の一体化の問題については、民主党はすでに3年前に処方箋を発表している」として党内の検討成果をまとめた冊子を首相に手渡した。そして、内閣の法案が与党の事前審査で骨抜きにされることがあってはならないとし、従来の事前審査の慣例を廃止するよう求めた。
首相は、私の考えに反対する自民党幹部の主張が本当に党全体の声なのかということが問題だ、などと述べ、事前審査の廃止には触れなかった。
鳩山代表は雇用問題にも触れ、ワークシェアリングの大胆な導入など雇用の構造改革を実現するため、政労使の協調による取り組みの陣頭指揮を執るべきだ、と迫った。首相は、労働側の意見も聞いて努力する、と述べた。
鳩山代表は最後に、「首相が今日明らかにした決意は重い」として、阻害勢力があろうと国民のために改革を断行してほしいと要請、「たじろいだり、後ろを振り向いたりせずに進む限り、民主党は応援したい」と首相にエールを送って討論を締めくくった。
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