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2001/11/28
「私たちを人間扱いして!」難民不認定のアフガン人招き実情きく




民主党市民政策懇談会座長の横路孝弘副代表ら有志議員は28日、難民認定申請中に東京入国管理局に強制収容され、その後東京地裁の決定で収容停止になったアフガニスタン人男性5人を国会に招き、事情をきいた。

 この5人はタリバン政権の迫害から逃れて日本にやってきたハザラ人やタジク人で、この日の朝、東京入管の命令で出頭し、難民と認定しないとの通知を受けた。そのまま強制収容され、強制送還される恐れがあったため、懇談会事務局長の原口一博衆議院議員が同行し、手続きを見守った。

 ヒアリングには石井一副代表、首藤信彦、小林守、山谷えり子の各衆議院議員も出席。モハマド・ヤフヤさん(25)は、「我々はアフガニスタンで迫害され続けてきたハザラ人で、タリバン政権が崩壊しても完全な平和が戻るまで国に帰ることはできない。希望を求めて日本にやってきたのに身柄を拘束されたり、難民と認められないのは理解できない」と悲痛な面もちで語った。

いずれの人たちも、タリバンに身柄を拘束され拷問を受けたり、家族を殺害されるなどしている。また、北部同盟の中にはタリバン支配前にハザラ族を虐待し続けた勢力も存在し、5人は「元国王も貧しい人たちに何もしていなかった。今、とても国に戻れる状況ではない」と、口々に語った。

 また、モハマド・ダウドさん(28)は、「東京・十条の東京入管拘置所では、多くの犯罪者と一緒に収容された。疲れ果てて精神病にもかかっている」と、劣悪な待遇を訴えた。この施設を10月に視察した首藤議員も、「昔の牢獄のような大部屋で、衆人環視の中、用を足さなければならないひどい環境。人道的にも大きな問題だ」と他の議員に説明した。

 これらの話を受けて横路副代表は、「日本を信じて難民申請をした皆さんに対する政府の対応はひどい。私たちもできるだけの努力をしていきたい」と述べた。原口議員も「同じ日本人として皆さんに苦痛を与えていることをお詫びしたい。入管の対応には怒りをこらえられない。この理不尽な思いを国会全体に広げ、政府の対応を変えさせたい」と語った。

 市民政策懇談会では、法務省に対し、決定を撤回してアフガニスタン人の難民申請を認めるよう求めていくことにしている。
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