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2001/10/04
<衆院予算委>日本は米国に信用されてないのはなぜ?〜不良債権処理で仙谷由人議員が質問
民主党・無所属クラブから2番手として質問に立った仙谷由人議員は、不良債権問題を中心に論戦を挑んだ。

 まず、仙谷議員は、テロに対する対応をめぐってアメリカを訪れ、日米首脳会談に臨んだ小泉首相に対し、ブッシュ大統領が「不良債権処理を含む改革を日本に実行して欲しい」と述べたことを取り上げ、「軍事的な面やその他たいへんなことを考えなければならないのに、情けない。何でアメリカに(首脳会談のたびに)不良債権処理をしろと言われ続けなければならないのか」と質問。

 これに対し、小泉首相は「信用されていないんですよ。要注意先債権が、大丈夫だといっていたのに破たんする」と答えたが、仙谷議員はさらに「誰が誰に信用されていないのか」と詰め寄った。首相は「市場が、いまのやり方で本当に不良債権処理が2、3年以内にできるのかという点に疑問を抱いている」と述べ、さらに「より正確に言えば、疑念をもたれている。疑念を解消するための具体的措置、経営者の態度、銀行の審査体制、これに甘さがあるんじゃないのか」と評論家のような口ぶり。

 仙谷議員はこれに対し、「日本の構造、金融当局の構造の問題だ」と指摘。フリップを示し、「これまでのほぼ3年間で金融破たん処理につぎこんだお金が32兆4724億円。にもかかわらず、専門家の多くは、事態がより深刻化していると言っている」と述べ、巨額の資本注入にも関わらず市場の不信感が払拭されていない責任を追及した。

 一方、柳沢金融担当相は顔を紅潮させ、「過去の公的資金投入は、法律に基づいて預金を全額保護するためにこうなったことは議員はご存じのはず」と興奮しながら反論。仙谷議員は「興奮してしゃべるような話じゃない。少なくとも国民の税金を使ったのはあなたの責任。そのことを肝に銘じてもらわねば、税金を払った国民はうかばれない」と釘を刺した。

 また、政府が示した改革先行プログラムにある、株価や格付けが低下した債務者に着目して金融庁が行う「特別検査」について、柳沢金融相は「1月から3月に実施する」と述べたが、仙谷議員は「小泉内閣の柱というべき不良債権処理の対策が来年にならないと始まらないのか。それでマーケット(市場)は待ってくれるのか」と批判した。

 さらに仙谷議員は、貸し倒れに備えた引当金を要注意先に厚く積むべきだとの持論を展開したが、柳沢金融相は「会計原則からそれはできない」と否定するなど、二人の議論は平行線をたどった。
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