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2001/10/05
<衆院予算委>きめ細かい雇用対策を要求〜城島正光議員が政府の方針ただす
衆議院予算委員会で5日、民主党・無所属クラブから城島正光議員が質問に立ち、得意分野の雇用政策にテーマを絞り、深刻な雇用情勢をめぐる対策について、政府の方針を質した。

 城島議員はまず、小泉首相の所信表明演説について「“雇用対策国会”と銘打ったわりには、大まかな方向が示されただけで、肩すかしをくわされたような感じだ」と述べ、政府の雇用対策の具体的内容や財源措置について質した。しかし、塩川財務大臣、坂口厚生労働大臣ら関係閣僚はそろって「これから検討する」としか答えられず、取り組む姿勢に疑問を抱かせた。

 また城島議員は、雇用保険にも入っていない自営業者の倒産・廃業が多いことを指摘し、これに対応した失業対策を求めた。平沼経済産業相は「必要性は指摘の通り」と述べ、自営業者を対象に売掛債権で保証枠をつくって融資を行うほか、新規起業支援として事業内容に着目した無担保融資などを実施する意向を明らかにした。これに加えて城島議員は、親の失業による高校退学者の増加への対応、開業・創業のためのノウハウを学ぶ大学講座の増設などの具体策を要求した。

 さらに、構造的な雇用のミスマッチの解消策をめぐっては、政府が年齢制限廃止の例外規定を設けていることについて批判し、見直しを要求。職業紹介についても、英国の職業カウンセリングや米国の「ハローワーク」の取り組みを紹介しつつ、実際に利用価値のあるサービスの構築を求めた。坂口厚労相は、キャリア・カウンセラーの人材養成などを含めて努力するとし、小泉首相も「重要な指摘だ」と検討を約束した。

 機能不全を起こしている雇用保険制度をめぐっては、職業訓練受講を条件とした給付延長(2年)や財政安定化基金(2兆円)の創設といった民主党の当面の充実策を説明し、制度改革および財政面の展望について質した。坂口厚労相は、給付期間の延長は無理だとしながらも、技能・技術を勉強したい人への支援については範囲を広げると述べた。また、財政展望については今後の経済動向次第だと述べるにとどまった。
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