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2001/10/09
<参院予算委>現実に即した国内警備強化が必要だ〜浅尾慶一郎議員が主張
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9日の参議院予算委員会で民主党・新緑風会の3番手として、浅尾慶一郎議員が質問に立ち、国内のテロ対策、金融問題を中心に論戦した。
まず国内のテロ対策で、浅尾議員は、原子力発電所の安全対策について質問。「警察による警備で充分か。側面からの攻撃には比較的強いと言われるが上からの攻撃にはどうか」と質した。平沼経済産業大臣は「米国の同時多発テロのように旅客機が落ちてくることを想定した場合、それに耐えうる設計にはなっていない」と答弁。浅尾議員は現実に即した警備強化の必要性を強く求めた。
さらに浅尾議員は、「実際にハイジャックが起きてから治安出動の要請までに時間的な余裕があるのか」と指摘。米国ではハイジャックの際に撃墜許可が出ていたことに触れ、「わが国もそうした許可はとれるのか」と言及した。中谷防衛庁長官が明確な回答を避けたのに対し、「タイムラグがあるので対応できないのではないか。超法規的な行為の前に対応の検討が必要」と問題提起した。
続いて、入国警備官の人数不足など、不十分な入国管理体制を指摘。テロ対策強化のために、パスポートの改良なども含め、出入国管理体制の強化の必要性を訴えた。
金融問題にテーマを移した浅尾議員は、「政府は旧長銀の譲渡時には、何としても売らなければいけないという視点で、引当金を多く積んでいる。しかし、他のケースの場合にはそうした形はとられず、ダブルスタンダードで行っているのではないか」と問題点を指摘した。柳澤金融相は「そう思って欲しくない」と否定し、「旧長銀は数社の大口債務者の融資比率が高かったため、これらの債務者の悪化によって、そのようなケースが起こったものだ。通常の金融機関は大口規制などのリスク管理システムで守られている」と説明した。
また、浅尾議員は「ペイオフの延期はないか」と質問。柳澤金融相は「まさにシステム全体がゆらぐという極めて異例の事態に対する対処策でなければならない。金融機関といえども一般の民間企業だ。預金保険が組み込まれてはいるが、もし経営に失敗した場合は、債務者も一定の損失を負担するという原則がなければ、弊害だらけのシステムに陥りかねない」と述べ、ペイオフの予定通りの実施を肯定した。
続けて浅尾議員は、経済悪化の元凶となっているデフレの原因を質問。速水日銀総裁は「重要面と供給面の問題がある。物価下落の主な原因は輸入ないし輸入競合商品が物価を引き下げている。加えて、需要不足による影響が大きくなっている。日銀は金融緩和策を講じているが、さまざまな構造問題が残っているなかでは、物価の下落を回避することはできない」との見方を示した。
浅尾議員はその上で、構造改革の痛みについて「国際競争にさらされ、貿易立国・日本を支えている業種に比べて、守られている業種はあまりに痛みと無縁だ」とし、小泉首相の所見を求めた。
それに対して小泉首相は漠然とした答弁をくり返し、「漠然とした質問にはこの程度の漠然とした答えしかできない」と開き直り、あまりの回答のなさに浅尾議員は「ストレートに答えていない。リストラやデフレで苦悩している方々の平均雇用者所得が629万円であるのに対し、公務員は1018万円。その数字をストレートに聞いたら、やはり怨嗟の声が起きるのではないか」と述べた。それにも首相は単なる一般論を唱えただけで、到底一国の首相とは思えない見解を並べるだけだった。
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