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2001/10/09
<参院予算委>「巨泉」VS「小泉」第1ラウンド〜大橋巨泉議員が初質問
参議院予算委員会において、9日、この夏の参院選で初当選した民主党の大橋巨泉議員が初質問に立った。大橋議員は、テロ対策を中心に、靖国参拝問題、選挙制度問題、地球温暖化問題などをめぐって小泉首相らを追及した。

 冒頭、大橋議員は、首相が本会議での“棒読み”答弁への批判に対して“役人に対するような質問をする方が悪い”という趣旨の発言をしたことを取り上げ、真意を質した。小泉首相は、「本会議と委員会の質問が同じでいいのか」などと述べたが、大橋議員は、高祖議員辞職問題など政治家として答えるべき問題に対しても一切答えなかったことを指摘し、都合の悪いことは答えないという姿勢にクギを刺した。

 続いて大橋議員は、米国高官が語ったとされる「Show the flag」という言葉の意味を質問。小泉首相は「協力してくれという意味だ」としたが、大橋議員は、どちらの側に立つかはっきりしろという意味であることを明らかにし、「少なくとも日の丸を立てて自衛隊の艦船をインド洋に出せという意味ではまったくない」とした。さらに、そもそもこの発言が、いつ、誰が、誰に対して、どういう場で行ったものであるかもはっきりしないことを指摘。「(発言は)新聞で見た」などと答える首相に対して、「日本はそんなにいいかげんな外交を行っているのか」と一喝した。

 同時に、日米首脳会談の直後に小泉首相が「Attack on one is attack on all」と語ったことについても取り上げ、それが海外では集団的自衛権行使を表明したものと受けとめられていることを指摘。「日本の対応は、とにかく自衛隊を支援に送って旗を見せるというものになっているが、テロは貧困をなくさない限り根絶できない。むしろ経済格差解消を優先して考えるべきではないか」と自身の考えを述べた。

 また大橋議員は、地球温暖化防止の京都議定書問題をめぐって、「米国を最後の最後まで説得する」という政府の方針は「甘い」と批判し、日本が米国の説得を諦めて議定書を批准するデッドラインはいつか、と追及した。しかし、小泉首相、川口環境相は「最後の最後まで」と繰り返すのみで、早期批准の考えのないことを示した。

 このほか、靖国参拝問題では、小泉首相が自民党総裁選の投票日直前に日本遺族会幹部に電話をかけ、当選した場合は8月15日に靖国神社に参拝することを確約していた経緯を確認。また、選挙制度問題をめぐっては、現行の非拘束名簿方式が組織や支持基盤を持っている候補とそうでない候補とに選挙運動などで平等な条件を与えていないとし、インターネットを利用した選挙運動などの解禁を提案したが、片山総務相は「(インターネット利用は)悪用される恐れがあってむずかしい」と答えるにとどまった。
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