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2001/10/11
〈衆院テロ特別委〉日本の支援には新たな国連決議必要〜桑原豊議員が主張
11日の衆院テロ対策特別委員会で民主党の3番手として質問に立った桑原豊議員は、新たな国連決議の必要性や米国の自衛権と日本の支援の関連性などについて議論した。

 まず桑原議員は、米国における同時多発テロを受けて出された国連安保理決議1368(2001年9月12日)を取り上げ、「周辺事態法は日米安保という後ろ盾がある、PKO法は国連決議がある。今回の対テロ支援を日本が行うためには新たな国連決議が必要だ」と主張した。これに対し、田中外相は「今回のわが国の支援は、武力の行使を伴うものではないので、国連決議を必要とするものではない。国連決議1368は加盟国の個別的自衛権を確認している。国際的な脅威、テロの実行者を確認している」と述べ、新たな決議は不必要だと述べた。

 桑原議員はさらに「新法の法律的なバックボーンは何なのか。憲法の国際協調主義が根拠なのか」と質したが、福田官房長官は「新しい国際的役割を憲法の枠の中で担うものと考えていい。国連で決議がされ、犯人の特定も別な証拠で特定されている。そういう状況の中で、テロ撲滅の目的で何らかの活動をするのが、日本のこれからの活動だ」と述べた。

 アメリカの自衛権と日本の支援の関連性について、桑原議員は「アメリカの自衛権をはかる尺度もあるはずだ。アメリカの戦闘行為によって多くの市民が殺傷されたり、難民が国外にあふれ出す、深刻な干ばつによる食糧危機もある中で、爆撃によって一層厳しい状況になる可能性がある中で、爆撃がさらに続いても、アメリカの行動をさらに支援することになるのか」と指摘。「日本の支援には自ずから制約がある。アメリカがやるのならなんでもやるということではない。協力をする以上は、日本は冷静に、国連憲章の目的を達するためにアメリカに直言していかなければならない場面もある」と主張した。

 桑原議員は、国会の基本計画の承認について、「基本計画の中には自衛隊がどこにでかけていくのか、どのくらいの装備なのかなど、一番大事な部分が盛り込まれている。法律でメニューを提示しても、具体的な選択はすべて基本計画に入る。周辺事態法を援用するのなら、事前の承認はあってしかるべきだと思う」と迫った。

小泉首相はこれに対し、「一つの考え方だとは思うが、政府も民主的手続きで選ばれて、行政の裁量範囲があると思う。かなり限定したルールを定めているので、そこは政府の裁量に任せていただいてもいいのではないか」と述べ、否定的な姿勢を崩さなかった。
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