ニュース
ニュース
2001/10/25
「山崎拓さん、政治的良心を取り戻して欲しい!」党利党略の衆院選挙制度改悪に熊谷国対委員長が強い憂慮
「山崎拓さん、今からでも遅くない、政治的良心を取り戻して欲しい」。−−民主党の熊谷弘国会対策委員長は、25日朝の会見で、与党3党が24日の幹事長会談で衆院選挙制度をめぐって一部中選挙区制を復活させることで大枠合意したことに強い憂慮を示し、合意をまとめた自民党の山崎拓幹事長を名指して批判した。

 熊谷国対委員長は、「合意内容は見るにたえず、聴くにたえない。ゲリマンダーそのままの党利党略だ。一番悲しむべきことは、政治家の自己保身、自己利益を守る情けない姿を国民にさらしてしまったことだ。これは日本政治の堕落だ」と嘆き、今後党の政治改革推進本部(鹿野道彦本部長)の下で、国民運動を広め、あくまでも実現を阻止する決意を強調した。

 特に、自民党内にもある根強い反対をさしおいて合意を先導した山崎幹事長に対しては、「交渉当事者の(幹事長の地元の)福岡市がなぜ対象にされていないのか」「小泉首相自身は選挙制度改革に高い理想を語っており、私もそれを評価している。だが、これほど強い決意を聴いていた自民党の幹事長が、自分のことしか考えていないように行動することは情けない限り」と厳しく批判。

 さらに熊谷国対委員長は、「民主党のある若手議員は“こんな改悪が通るようなら政治家を辞める”とまで言っている。私も同じ思いだ」と語気を強めた。「最終的には民意が決めることだが、もし国民がこんなことを容認するのであれば、わが国の将来には暴力による一党支配だけが残ることになってしまう」と強い危惧を示し、会見の最後には、「山崎拓よ、一片の良心があるのなら、理想とは何かを語りかけるプライドを取り戻してほしい。今からでも遅くはない」と報道陣を通じて呼びかけた。

 また、与党が党首討論に公明、保守両党の党首も参加させる方向で検討していることについては、「まだ直接の申し入れがないのでコメントしようがない」としながら、「“自分の出番がないから、テレビに出たい”と主張している某党首がいると報道されているが、事実なら、政治家はかくも堕落するものかと嘆かわしくなる。制度を変えるのなら、明確な理由がなければ検討には値しない」と述べ、基本的には受け入れられないとの認識を示した。
記事を印刷する