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2001/10/26
当事者ならではの視点で「仕事と家庭の両立支援法」を審議=水島広子衆議院議員
民主党の水島広子衆議院議員が26日の衆議院厚生労働委員会で質問に立った。水島議員は9月11日に第2子(長男)の頑河(がんが)ちゃんを出産、産後休暇を経て、10月23日から国会に復帰。復帰後初の委員会質問となった。

 水島議員は議題の「仕事と家庭の両立支援法」に関して、まさに直近に出産を体験し、二児の母として仕事と家庭の両立をめざす当事者ならではの視点で切り込んだ。

 冒頭、水島議員は政府案は一歩前進するものだと評価しつつも、子どもの看護休暇が努力義務規定に止まっている点について、失望感をあらわにした。年次有給休暇の取得理由で“小学校入学前の子どもの病気のため”が65%にのぼっている状況を見ても、その必要性は明らかだとし、坂口厚労相に請求権化するよう求めた。

 坂口厚労相は答弁の前に水島議員にお祝いを述べ、議場にも温かい拍手が起こった。厚労相は「将来的には請求権化する方向に進むことを期待している」としつつも、「看護休暇利用者率が現在8%に過ぎない」との見方を示し、世間に浸透し、取得できる環境が整うまでは努力義務とする方針であると答えた。

 これに水島議員は「現在の普及率云々ではなく、今子どもを育てている人にとってはまったなしの問題」だと反論。また、「親の看護休暇と病状保育が進んでいない現状では、現実的な問題として病気であるのに家にひとりで放置されてしまう子どもが発生する」と、子どもの福祉・人権という新たな問題も重ねて指摘。「年間5日間でも、請求権化を持ち込むことが急務だ」とした。

 次に、法律の適用対象について、“日々、雇用されるもの”と“期間を定めて雇用されるもの”が適用を除外されている理由を質した。政府側は「育児休業制度は長期雇用を前提として設けられている」とし、日々雇用者や期間雇用者を適用対象とすることはむずかしいとした。

 水島議員は、期間雇用者について労働契約が反復更新されており、実質上、期間の定めなく雇用されている人が多い実態をふまえ、実質上期間の定めなく雇用されている有期雇用者にも育児・介護休業の取得を認めるよう求めた。

 さらに、「不本意ながら期間雇用者とさせられている人たちの率直な不平等感を受け止めていく必要がある」との見方を示し、また期間雇用者・パート労働者・派遣労働者などが増えている時代の流れに法律の整備が追いついていないと指摘。「労働形態に関わらず、あらゆる労働者に職業生活と家庭生活を支援する法律を整備する必要がある」と重ねて訴えた。

 最後に、水島議員は育児・介護休業取得後の「不利益取り扱いの禁止」に関して、不利益を被った側が主張しやすいよう、だれにでもわかるよう該当項目を明確化していく必要性を主張した。
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