ニュース
ニュース
2001/10/26
<参院外交防衛委>国会軽視の自衛隊派遣は許さない〜斉藤つよし議員
民主党の斉藤つよし議員は26日、参議院の外交防衛委員会で、テロ対策関連法案をめぐる質疑における民主党・新緑風会の最後の質問者として質疑を行い、政府の想定する支援活動の観念性、危険性を暴き出した。

 冒頭、斉藤議員は、小泉首相が自衛隊派遣計画の国会事前承認の必要性を否定、「政府を信用できるか、できないかだ」と述べたことを取り上げ、国会の役割の否定ではないかと追及した。小泉首相は、「選挙において国民の意思で国会議員が選ばれ、政府がつくられている。国会といっても最終的には国民主権だ」「政府の裁量権というものがある」などと繰り返し、三権分立の原理に基づく行政府への立法府のチェック機能さえ認めようとしない、根強い国会軽視があることが明らかになった。

 次に斉藤議員は、米英軍によるアフガンへの空爆が開始されて以降、民間人の犠牲者や難民が急速に増加していることを指摘し、両国に爆撃の停止を求める考えはないか、と質した。首相は、「テロに対して立ち上がらなかったら、テロはなくならない」などと単純不明解な答弁を行ったが、斉藤議員は、一般人の犠牲者をこれ以上増やさないために違う方法を検討することも考えるべきではないか、と述べた。

 さらに斉藤議員は、現在政府が想定している自衛隊派遣計画の内容について質問。NATO諸国の軍事行動の状況や自衛隊艦船の派遣エリアなどについて質した。しかし政府側は、「法案が成立したら情報収集や検討を始める」「そういう質問には答えられない」(中谷防衛庁長官)などとして、現時点で保有している情報や準備している計画内容を明らかにすることを拒否。斉藤議員は「国会でこんな議論をしていいのか」と厳しく指弾した。

 また、自衛隊艦船がインド洋に展開している米空母キティホークの燃料補給に当たれば、いくら「戦闘行為と一体化しない」と言っても、外国からは米英の軍事行動とワンセットで見られるではないか、と指摘。しかし、中谷防衛庁長官は「そう見る国は少ないのではないか」などとし、首相にいたっては「世界の常識も合致する場合としない場合がある」などという奇弁を弄して米軍への後方支援方針を護持した。

 斉藤議員は、テロ対策関連法案をめぐる国会審議において、憲法との関連がテーマになるたびに首相が「神学論争はやめて常識で考えよ」などという乱暴な議論ではねつけていることについても厳しく批判、「国会で憲法の話をしなければ、どこでやるのか。こんな国会は前代未聞だ」 と強く訴えた。
記事を印刷する