ニュース
ニュース
2001/07/25
「切り捨てのない民主党の構造改革」東京の下町で訴える




 参議院選挙投票日まであと4日となった25日、東京・浅草の雷門前において、民主党の中山義活衆議院議員、比例代表のO候補による街頭演説会が行われた。雷を伴う激しい雨に見舞われた東京だったが、演説が始まるころにはすっかりやみ、雨上がりの涼しい空気のなか、日本の現状を憂い、何とか国民のための構造改革を進めたいとする候補者たちの訴えに、多くの人々が足をとめた。

 演説会では、「異常ともいえる小泉人気に一石を投じるべく、民主党から比例代表候補としてOさんが立候補してくれた」と司会進行役の手塚仁雄衆議院議員が口火を切った。いったん仕事のためにカナダに戻っていたO候補だったが、残り4日間の選挙戦はこの下町・浅草からラストスパートしたいという本人のたっての希望で実現した。

 仲見世生まれ・仲見世育ちだという中山議員は「両国生まれで夫人も台東区の生まれだというから、O候補もまさに江戸っ子。下町の仲間として、みなさんに訴えていきたい」と応援演説の第一声を放った。損得でなく、心意気で動く人情が今なお根づく下町の気風を、政治の世界にも反映していくべきだと訴えた。

 また、自然を楽しむゆとりや、余裕のある時間を生み出す社会でなくてはならない。多くの失業者を出すような社会であってはならないと力説した上で、「民主党が進める構造改革は、弱者切り捨ての冷たい構造改革ではなく、セーフティネットをめぐらせた、国民にやさしい構造改革だ」とし、民主党の政策をアピールした。

 そして、中山議員は「いわば理想的な老後を地でいくO候補には、その実現への手段を明示してもらい、また海外に暮らすからこそ見えてくる日本の問題点を国会議員として大いに批判してもらうことが、日本の政治にとって欠かせないのだ」とO候補の必要性を訴えた。

 続いてマイクをにぎったO候補は、小泉人気に乗じたこの流れを止めるため、今回の出馬は一生にたった一回の挑戦だと訴え、自分のふるさとである下町の人びとにその思いを理解してほしいと静かに話し始めた。

 O候補は小泉総理を批判する理由は二つあるとし、第一に「自民党を離脱しない限り、総理が唱える構造改革の実現はあり得ない」とした。また、小泉人気に乗じた今回の参議院選挙では結果として多数の自民党議員を生み出すことになり、6年間変わらない抵抗勢力となると指摘。「同じ自民党候補であるのに、構造改革を進める改革派か今だけ仮面をかぶっている守旧派かの見極めを国民にゆだねるのはそもそも無礼だ」とした上で、「仮面をかぶっていた守旧派が抵抗勢力となり、小泉総理が進めようとする構造改革を阻むことになると、その負担はすべて国民みなさんに返ってくる」と語りかけた。

 批判する理由の第二としてO候補は「小泉内閣の構造改革は弱者切捨てだ」とし、「大銀行は救うが信用金庫は救わない、大企業は救うが中小企業は救わない。しかし、選挙戦では痛みの具体的な内容は何ら明らかにせず、みなさまに痛みを分かち合っていただきたいとだけ訴えているのが現実だ」ときびしく批判した。

 そして、「痛みを伴わなければならない戦犯第1号は銀行の経営者であり、戦犯第2号はゼネコンをはじめとする大企業。そして、政策を続けてきた自民党政治家や高級官僚が戦犯第3号なのだ」と批判。それらの責任を何ら追及しないどころか、責任をあいまいしたままそれらの戦犯を救おうとしている小泉内閣の大きな過ちを指摘した。

 「立候補を承諾するにあたり菅幹事長に確認したが、民主党はセーフティネットを十分に考えた、切捨てのない構造改革を進めようとしている。一方、自民党は切り捨て型だ。その点をメディアは十分に取り上げていないが、“純ちゃんステキ、まきこさんステキ!”とやっていては、ハッと気付いたときに、痛みはすべて国民の側に押し付けられることになる」と聴衆に注意をうながし、「それを今から考えて投票していただきたい。民主党はいいけれどOはイヤだというのなら、浅草を代表するおかみさん会会長のT候補の名前でもいい。とにかく、この小泉人気のまま自民党に勝たせてしまうと、そのつけはみなさんにまわってくる。情報をみなさんにつたえ、きちんと政党を選び、諸外国が実施している2大政党制を実現するためにも、野党第一党の民主党に投票してほしい」と熱く訴えた。
記事を印刷する