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2001/08/08
両院議員懇談会で参院選結果受け議論(1)
 民主党の両院議員懇談会が8日、党本部で行われ、6日に開かれた両院議員総会に引き続き、参院選の結果を受けての意見交換が展開された。

 冒頭、鳩山由紀夫代表は「参議院選挙の結果について、十分な総括がなされていない点は幹部一同よくわきまえている」とコメント。「直接、私どものところまでおいで下さった方もいた」として、「今後もいつでも開かれた民主党としてさまざまな機会を設け、議論を展開したい」と述べた。そして「十分に議論した上で選挙の総括を行うことこそが、次のステップに向けて極めて大事だ」とし、活発な議論への期待感を示した。

 また、党員という形に抵抗感をおぼえる人たちへも、民主党シンパの輪を広げる必要があると指摘。「ゆるやかなネットワークとでもいうか、さまざまな分野のエキスパートたちと、問題を共有し、行動を共にするような関係性を築いていく必要性がある」とし、党組織のあり方についても問題提起した。
 
 議論は2時間近く続いた。発言した議員と発言要旨は次の通り。

●河村たかし衆議院議員
 「天下を奪る」ための具体的な手法として、第一には民主党大衆政党への脱皮宣言をして、地方の老人と対話を大切に、温かみのある政権政党をめざすべきだ。第二には、政府の税金のムダ使いについて、国民が身近に感じられる具体例を示し、徹底的に言い続けて浸透させていく必要がある。第三には、基本政策以外は、党議拘束と部会を原則廃止にすべきで、重要政策となるいくつかの大きな柱以外は、議員個人の考えを優先させ、有権者にアピールすることがあってしかるべきだ。

●古賀一成衆議院議員
 議員懇談会などで出された議論はきちんとカテゴリー分けして提示し、今後の党運営に積極的に役立てるべき。政権奪取に向けては、選挙はもちろん国会運営のなかでもその都度反省会を行い、マスコミにもアピールし、建設的な提言をしていく必要がある。また、党首討論・代表質問に使ってほしいデータなどは、メール等で党執行部とやりとりできるようにするなど、“国対目安箱”を設置していくといい。

●細野豪志衆議院議員
 今後、民主党はどうやって政権をとっていくか、小泉政権に対してどういう姿勢をとっていくか、共通認識をもつべきだ。民主党として賛同できるものについては今後も、“民主党が頭を引っ張る”という姿勢を踏襲するべきではないか。それを実現させていくなかで、どういう執行部体制が望ましいか、現執行部でいいか、十分な議論が必要。

●桑原豊衆議院議員
 6日の両院議員総会で、"党の顔が見えない"という批判に対して「この私が党の顔だ」と鳩山代表が述べ、党の主張を訴えていく決意を表明した。その訴えの中に党のアイデンティティが問われる。(1)自立した平和外交をめざす(2)地方分権を軸においた、公開・参画の新しい民主主義(3)市場経済を認めながらセーフティネットや改革を進める、との主張が民主党の政策路線的アイデンティティといえる。民主党と聞いたときにすぐイメージできるものを浸透させていくべきだ。

●樽床伸二衆議院議員
 桑原議員の発言に同意する。民主党と連合の関係を「戦略的パートナー」と位置づけ、かつて存在していた社民党と連合、日本新党と連合といった関係性とは別の位置づけを模索する必要がある。“世話になったから言うことを聞かなくてはいけない”といったものではなく、政権をとるためにお互いのいいところをどう理解しあうのかといった観点からの関係であるべきだ。

●小宮山洋子参議院議員
 女性の議席数が2つ減ってしまったのは極めて残念。選挙期間中も訴えてきたセーフティネット・安心の柱について、国民に説得力のある・国民が実感できる具体策を、もっと明確に、なるべく早く出すべきだ。
 また、候補者擁立について、長期的に、どれだけ自前の若い候補や女性を各地で擁立できるか、足腰を強くしていく必要がある。立候補する人がいないから女性を立てようといったやり方では長期展望はなかなかむずかしい。
 さらに、民主党を支えるほかの大きな組織がないために、労働組合の党だと言われてしまう。労働組合だけでなく市民活動をしているグループなどとパートナーシップをゆるやかにもっていくべき。そのためにも、NPOなどを支えるしくみづくりが大切。

●山田敏雅衆議院議員
 選挙期間中、町工場など、中小企業のところを1日50件ぐらい回った。小泉総理のいう不良債権処理のため、金融機関の異常なしめつけと将来への大変な不安が渦巻いている。そんななか、民主党がもっときびしい不良債権処理をするというのでは中小企業経営者の理解を得られない。改革の先に民主党はどんなビジョンを描いているのか、明確に示していないのは問題だ。ポジティブな明るい未来を提案する民主党であるべきだ。

●大橋巨泉参議院議員
 労働組合をバックに当選した場合でも、ひとたび国政の場に出た場合は、労組の方には顔が3分、全国民の方には7分向いていなければならない。労組から出たからその組合だけの幸せを考えればいいのかというと、そうではないはず。国会議員としては、常に国民全体の幸せをバランス感覚をもって見ていくべき。

●中山義活衆議院議員
 選挙期間中、大橋議員が「65歳まで働いたらバラ色の人生がまっている、諸外国ではそれぐらい年金生活が充実している。日本もそうならねばいけない」と提案していた。その言葉のように、国民が将来に明るい展望を抱けるよう、個人補償の充実が必要。将来に夢をもてるイメージを民主党がシンポジウムなどを通じて発信すべきだ。また、“選挙は落ちたら自分の責任、当選したらみんなのおかげ”、普段から努力して自分で自分の選挙区で地道に活動していくことが大切だ。

●長妻昭衆議院議員
 民主党は何をめざしているのか政策が明確でないという指摘がある。これは、われわれ議員が政策を明確にする努力を怠ってきた結果だとも言える。すべて統一見解を出すのはむずかしいが、大きい政策で、民主党はどう決定し、どう進んでいくのかを明確にすべきだ。郵政3事業の民営化・有事法制など、なかなか集約できない問題についても、何日かけても議論し、結論を提示すべき。

●城島正光衆議院議員
 民主党がいまひとつ食い足りないイメージなのは、生活感がないから。改革を進めようとしている点を否定するつもりはないが、きびしい経済状況のなかで悲鳴をあげている国民の思いをきちんと受け止めている政党であることをもっと訴える必要がある。中小企業の不良債権処理やサラリーマンのローンの問題など、民主党は的確に何とかしようと思っているかをアピールしていく必要がある。
関連URL
  (2)へ続く
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=2680
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