ニュース
ニュース
2001/08/09
首藤信彦議員がミャンマーのバルーチャン水力発電所を視察、報告会ひらく




 民主党の首藤信彦衆議院議員は、7月30日から8月6日まで、ミャンマーを訪問。ODAプロジェクトの一つであるバルーチャン水力発電所を日本の国会議員として初めて視察し、今、最も必要とされる支援とは何かについて調査を行った。

 バルーチャン水力発電所は日本の対ビルマ戦時賠償第1号の事業であり、ミャンマーにおける電力の供給源として、40年以上重要な役割を果たしてきた。首都ヤンゴンで使う電力の約3分の1を供給していると言われている。最近は老朽化が進み、発電ストップの恐れが出ているが、財政難のミャンマー政府には自力で改修することが困難。一方、電力停止の場合、社会・経済に極めて重大な影響を与える可能性がある。

 日本政府は、35億円の無償資金を拠出し、修復を行う約束を今年の4月にミャンマー政府と交わしているが、現政権の人権抑圧などを懸念する米国政府は、パウエル国務長官が反対を表明するなど、ODA供与には慎重な姿勢を続けている。また、電力の多くが地域ではなく、軍用に使われる懸念もあり、さらに地雷が数多く埋設されていると言う情報もある。このプロジェクトを実施することによって、日本政府は批判の矢面に立たされる可能性も考えられる。

 首藤議員は先の通常国会中の6月5日、政府に対して質問主意書を提出し、この水力発電所修復のための資金の算定根拠や、ミャンマーのミャンマーの人権状況、および奉仕労働の強制の実態をどのように認識しているのか、などを質していた。

 9日に国会で行われた報告会には、民主党の他、自民党からも議員が出席。NGO、政府、報道関係者など多数が参加した。首藤議員は写真とビデオを使って、ミャンマーの政治情勢や、バルーチャン水力発電所視察の成果を1時間にわたって発表した。バルーチャン水力発電所が40年の時間を感じさせないメインテナンスによって保たれていることなど、「日本で聞いていたことと、現場に足を運んで見た現実に違いがある」と主張した。
記事を印刷する