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2001/08/15
「終戦の日にあたって」鳩山代表のメッセージ
 本日、56回目の終戦の日を迎えました。ここに改めて、先の戦争の犠牲となられた方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。

 今日、8月15日という日は、先の戦争によって亡くなられた方々を追悼し、半世紀以上が経った今なお多くの人々が心の中に持ち続けている戦争の傷に深い思いを致す日です。そして同時に、世界平和をより確かなものとしていく決意を改めて示す日でもあります。

 しかし今なお、世界各地において様々な紛争は止むことがありません。そして幼い子どもや女性が戦争の犠牲になる悲劇が繰り返されています。戦争は人類の尊厳を踏みにじり、人権をこれ以上ないほど侵害するものです。しかしわが国では、先の大戦の歴史をいたずらに美化しようとしたり、アジアを含めた戦争の被害による心の痛みを理解しようとしない動きが強まっているように見えます。

 このような中で小泉総理大臣は、靖国神社への参拝を強行しました。参拝直前に出された談話においては、政教分離の観点から違憲性が指摘されていること、A級戦犯が合祀されていること、日本の戦争責任問題との関連で近隣諸国との信頼関係を著しく損ねることなど、多くの懸案に対してなんの説明もなされませんでした。ただ日にちをずらすという、姑息な手段をもって靖国神社への参拝を強行し、国内外の不信を増幅させたのです。

 われわれ民主党はこうした動きを断固として許しません。戦争によってどれだけの人々がどれだけの痛みを被ってきたのか、こうしたことに少しでも思いを致すことができるならば、また、真に平和を愛する心を持っているならば、このような無神経な行動ができるはずがないからです。

 われわれ民主党は平和を愛する世界中の人々とともに、地球上の全ての国々の平和と繁栄の実現に向けて最大限の努力を傾けます。そして、20世紀半ばに植民地支配拡大のために自ら戦争を引き起こし、かつ唯一の被爆国となって悲惨な戦争体験を持ったわが国こそが、世界平和に向けての様々な課題に積極的に取り組み、世界をリードしていく姿勢を示すことが重要と考えます。21世紀が「平和と安心の世紀」となるよう、民主党は今後とも全力で努力し続ける決意です。

2001年8月15日

民主党代表
鳩山 由紀夫
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