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2002/07/22
【衆院決算委】上田議員、異動補償制度の再検討を求める


 22日、衆議院決算行政監視委員会第一分科会において、民主党・無所属クラブの上田清司議員が質問に立ち、人事院総裁に対し、国家公務員の地域給手当て・異動補償について質した。

 地域手当ては、人事異動で東京23区に赴任した場合、物価や家賃の高さを考慮して、給与の12%が調整手当てとして支給されるというもの。横浜・大阪・名古屋などは給与の10%、地方都市でも給与の6%が支給される。

 上田議員は「支給はそれなりには意味がある。しかし、問題なのはその後異動した場合も、異動補償手当てとして3年間この支給が続くことだ」と指摘。「なぜ、大都市部からさらに転勤した後まで、異動補償として支給されるのか。明らかにおかしい」と批判した。中島人事院総裁は「異動補償は異動に伴う経済的影響を緩和させるためのもの。異動をスムーズに行うためには大切な制度だ」などと説明した。

 上田議員は、そもそも異動補償は昭和36年に6ヶ月間の激変緩和措置として導入されたが、翌年、給与補償は1年になり、昭和42年には2年となり、昭和45年には3年間となった経緯があること、しかも、農水省での上級職の異動状況を見ると、全体の90%が3年以内に本省へ戻るか別の場所に異動していることを指摘。「つまり、調整手当てを一度受け取ると、異動補償という特例によって、半永久的にもらうことが可能になる」と指弾した。

 その上で「あくまで地域給手当ては政令指定都市などを中心に物価調整手当てとして出されているもの。にもかかわらず、任地が変わっても3年間異動補償するという特例自体おかしい。このままでは国家公務員制度の根幹を揺るがす制度にもなりかねない」と批判し、どうしても必要であるなれば本給に繰り入れるなど、人事院として検討が必要だと主張した。

 こうした指摘に対して、福田官房長官も「実態とうまくかみあっているか、総合的に考えていくべき」との考えを示した。
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