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2004/02/12
【衆院予算委】政府の改革逆行予算を厳しく追及




 衆議院予算委員会で12日、16年度総予算に関する質疑が行われ、民主党・無所属クラブからは枝野幸男政調会長に続いて、海江田万里、細川律夫、池田元久、河村たかし、鉢呂吉雄の各議員が質問に立った。
 
 海江田議員は年金改革について「10日に閣議決定した政府案では国民が抱えている不安が解消しないし、国民の期待を裏切る内容だ」と批判。これに対し小泉首相は「大きな改革の第一歩だ。何をやってもマスコミも野党も全て批判だ」との答弁。海江田議員は「単なる批判ではない。解決しなければいけない問題に政府案は答えも方向性を出していない。首相の頑なな姿勢では国民の納得は得られない」と喝破した。
 
 また海江田議員は、昨日、外務省の田中審議官が訪朝した経緯を質した上で、拉致被害者の家族の早期帰国と行方不明者の真相究明を改めて要求。さらに昨日のバクダッドでのテロに触れて派遣自衛隊の安全確保が十全なのか、質した。

 細川議員は、「世界一安全な国・日本」の復活に向けて政府の総合対策を問うた。小泉首相は「いろいろな対策を講じ、安全な国を復活させる」とのみ答え、目標やビジョンは答えなかった。細川議員は犯罪多発の原因、その政治の責任も問うたが、首相は「対策強化、犯罪防止に努める」と答え、自らの責任には触れなかった。

 池田議員ははじめに竹中経済財政・金融担当相が10日の予算委での答弁で「日本の名目成長率が名目利子率より高い」と断言したことに触れ、「70年代後半から日本を含め先進国は名目利子率のほうが名目成長率よりも高くなっている。竹中大臣の現状認識は間違っている。これでは財政健全化はおぼつかない」と批判し、発言の取り消しを迫った。
 
 また池田議員は年金資金の無駄遣いに言及。年金福祉還元事業と年金住宅融資などで2兆8千億円、年金積立金の運用で4兆円、合わせて7兆円の赤字になっていることを明らかにした上で、年金関係官僚の天下り問題にも触れ、「国民の貴重な老後資金である保険料の積立てをこんなに浪費していいのか」と厳しく追及した。

 河村議員は、「日本は役人天国になっている」として、公務員の不公正な特権や不正問題などを追及。まず、公務員一人当たりの年間給与が民間の2倍になっている問題を指摘し、是正を求めた。小泉首相は「バランスのとれた給与体系をめざす」などとした。
 
 また河村議員は、国交省ノンキャリア官僚の天下りや国税庁OBの税理士斡旋制度の問題を取り上げ、「民間経済を大きく蝕んでいる」と厳しく批判。しかし石原国交相や谷垣財務相は「民間の側にも需要がある」などとし、利権を温存しようとする姿勢をさらけ出した。河村議員は、国会議員の議員年金問題についても、国民年金だけにして国民と同じにすべきだとする考えを強く訴えた。

 鉢呂議員はまず、日露和親条約締結150年、日露戦争100年の節目を迎えた日露関係、首相の靖国神社参拝などで首脳レベルの交流が途絶えている日中関係の現状を振り返り、北東アジアの集団安全保障体制を築く観点からこれらの国との関係強化を図るべきことを力を込めて提起。
 
 また、北海道警の捜査用報償費による裏金プール問題を取り上げ、偽名の領収書を作成した捜査員に対する道の監査の調査が拒否されたことを批判、厳正な調査による全容解明を迫った。小野国家公安委員長は「国民に疑念を抱かせないよう努める」と答えるにとどまった。
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